第2話

 あいつがいなくなってから。


 数日が経った。


 よく分からない組織に追われていて。風邪を引いては自分の部屋に転がり込むというのを、続けていた。


 他の同僚に訊いてみたら、どうやら宗教法人らしい。人に化けられる獣を崇める宗教らしく、そういった類いの獣を見つけると、殺して捌いて食う。最終的には、獣になるのが宗教そのものの目的らしい。


 いかにも宗教らしい、いかがわしい中身だった。


 含むところがあるようで、いまのところ街の正義の味方からは行動を容認されている。


 そして、この前また転がり込んできた狸、真朱ましゅは。


 また、いなくなっていた。


 迷惑をかけまいとしたのだろう。どうせ、また追われる。


「ばかなやつだ」


 逃げないで、俺の部屋に隠れていればいいものを。


 なんとなく。


 大学までの遠い道のりを歩く。


 そのなかで。


 それを、見つけた。


 死骸。


 皮が剥がされ、内臓が飛び散っていた。四肢も、もがれている。


 真朱だった。

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