第8話 自分の想い

そして私は転校し女子高に通う事になった。


女友達と言える友達も増えた。





それから数か月が過ぎ ――――



片桐と会う事なく過ごす中。



"アイツに会いたい"



とか



"元気してるかな?"



とか



"彼女出来たかな?"



とか




気付けば


アイツの事ばかり


考えていた


離れて気付く想い






そんなある日の事。


私は一人街に出掛けた時の事だった。




「ねえ彼女、俺と出掛けない?」

「他、当たって下さい!」



私は去り始める。



グイッと腕を掴まれ肩を抱き寄せられた。




見てみるとグラサンを掛けている男の手で。




「な、何ですか?」

「君、スタイル良さそうだし俺の相手してよ!」


「何言って……困ります!そんな目で見るの辞めて下さい!」



「………………」



抱き寄せられた体を離す。




「過去とは吹っ切れたって感じ?沢山の男と寝てたなんて嘘みてー」


「えっ!?」



グラサンを外す。



「それとも俺達の絆が今を至ってる感じ?」



ドキン



「…結哉……」

「呼びすてですか?小山 悠香さん。まっ、気にしねーけど」



私は結哉に抱きついた。



「うわっ!」

「会いたかった……」

「悠香?それより、あれから何かあったか? 何もなかった感じ?」



私は頷いた。



「そっか。何もなかったなら安心した」


「………………」


「お前、一人? つい声かけたけど」

「大丈夫。一人だから」

「そっか」


「結哉は?誰かと待ち合わせ?彼女とか?」


「一人。でも……暇そうな女を今からデートに誘おうかな~?」


「えっ?」




グイッと抱き寄せる。



「小山 悠香。あんたを」

「えっ!?私!?」

「都合良いなら俺とデートしねー?せっかく会えたんだし」

「うん」




結哉は私の手を掴む。




ドキン




「恋人繋ぎする?」

「えっ?恋人繋ぎは……私達別に付き合ってないし……」


「じゃあ、付き合って!」

「えっ?」

「俺とマジ付き合って欲しい」




ドキン




「……結哉……」



そういうと、チュッと唇にフレンチキスをした。




ドキッ



そして手を繋ぎ歩き出す。



「お前いなくなって大丈夫かな?とか元気してるかな?とか……色々と考えて……気付けば……お前の事ばっか」



「………………」



「俺の彼女になって欲しい」




ドキン


足を止める私。




「結哉……私何かで良いの?沢山の男の人と関係持って妊娠までした汚れた女だよ……それでも……」


「お前が変わろうとした姿、傍で見守ってきたから……お前が他の男に抱かれたのって過去の事じゃん!それに俺が嫌なんだよ!悠香が他の男に抱かれるのは考えたくねーんだよ!」


「……結哉……」


「お前と別れる事になって、お前を抱いた時、約束だったし……お互いの想いが1つになるならって……それに……お前の全てを見てきた男含め他の男に抱かれないように俺も悠香だけを見ていこうって……誓ってあの日抱いたんだから」


「……結哉……」


「神様が見てくれてたから守ってくれたんだと俺は思う。お前が、今、こうしている事が、その証拠だろう?違うか?」



私は首を左右に振った。




「俺、お前が好きだから……俺と付き合って欲しい」



「結哉……うん!」



私は結哉の胸に飛び込んだ。


そして私はデートをする事にした。




その日の別れ際 ―――



「じゃあな」

「うん」



私は近くまで送ってもらう。


今日から付き合い始めてまだ実感の湧かない私。



無理もないけど、異性とまともに付き合った事のない私にとっては分からない事ばかり。



異性と付き合うってどういう事?


出掛けたりするってどういう事?


彼氏とか彼女とかいうけど


私は彼とうまくやっていけるかな?


そんな不安が過る




「悠香、難しく考えんな」

「えっ?」

「お前、元獲ばっかで、すっげー、戸惑っているみたいだし。お前はそのままでいれば良いから」



「……うん……」



グイッと私の手を掴み引き寄せるとキスをした


一旦が唇が離れ見つめ合う私達。




「俺だけ見てれば良いから。何の心配すんな!悠香」



「……結哉……」

「なっ!」

「うん……」




再びキスをすると深いキスをした。


結哉は、帰って行った。









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