第7話 あなたがいたから・・・~ 再会までの約束 ~

あれから片桐はモテ男になった。


私には声を掛けてくれる人が増えて女の子達と良く話す事が多くなった。




そんなある日の事だった。



「悠香、また引っ越しする事になったの」

「…そっか…分かった…」




数週間後のある日の学校帰りの事だった。



「あーいたいた」



3人の他校生の男子生徒が私を囲んだ。



「あのー…何か?」

「君でしょう?」

「えっ?」

「援交してる子って」

「えっ!?」



随分と落ち着いた時、噂で聞いたのか私の前に現れた。


どうやら後を付けられていたと思われる。


学校を出て随分と経っているからだ。




≪今更?≫

≪何で?≫



「ご、ごめんなさい…私は…もう…」

「何? 何?相手してくれないわけ?」

「もう関わりたくないから…ごめんなさいっ!」



私は去ろうとするが、すぐに捕まった。



「や、やだ離し…」



口を押えられ強制的に引摺られるように私を路地裏に連れ込んだ。




≪や、やだっ!≫

≪誰かっ!≫




ドサッと押し飛ばすようにされ私は地面に転がる。



起き上がる暇もなく、3人がかりで押え付け、そのうち一人は私に股がり、制服を引きちぎるように脱がす。




「い、嫌ぁぁっ!辞め…」



バシーッ


片頬を打たれた。



「静かにしなっ!初めてじゃねーなら抵抗しなくて良いだろっ!? ヤらせてくれれば良いんだよっ!」


「………………」



私の身体に容赦なく大きい手が這う。



私は涙がこぼれる。



≪せっかく……変わろうって……≫

≪……ごめん……片桐……≫



私は約束した生命と天国に誓った事に申し訳なく思った。




「………………」



下着の中に手がスルリと滑り込む。






次の瞬間―――――




私の上に股がっていた人が私から離れたかと思ったら同時に殴られたような音がした。



ビクッ



ドサーッ




「野郎っ!」



更にもう一人は襲い掛かる中、殴られ地面に倒れる。



「テメー」



更にもう一人も襲い掛かるも、殴られ倒れた。




「彼女の決意した事、無駄にするの辞めてもらえるかな~?」




私はゆっくりと起き上がろうとするが、身体がいうことを効かない。



一先ず、私は身体の向きを変えた。


震える身体を自分で抱きしめるようにする。




「野郎っ!」



再び相手はナイフ片手に襲い掛かるも、相手は倒された。




倒れている一人の胸倉を掴む。




「彼女に2度と近付くんじゃねぇっ!」


「………………」


「とっとと失せろ!それともまだやんのか?」




3人を見渡す。


3人は足早に逃げるように走り去った。




「大丈夫か?」


「………………」


「小山?」



グイッと私の腕を掴み、起き上がらせる。



「小山?」



ドキン



「…片…桐…」



両頬を優しく包み込むように触れる。


ドキン


私は涙が溢れた。



グイッと抱きしめる片桐。


「お前もついてねーな…俺ん家来な。その格好じゃ無理だろう?」



そう言うと私をおんぶし帰り始める。




「着替え出しておくからシャワー浴びて来な」



私はシャワーを浴び部屋にいるように案内された。



しばらくして片桐もシャワーを浴びて来たのか濡れた髪に胸が高鳴る。



「…片桐…」

「何?」

「ありがとう」

「別に。それで関係持ったのか?」

「何とか逃れた。ギリギリだったけど…」

「そっか…」

「うん…だけど…約束守れなくなるって…凄く…怖かった…」

「…小山……」



「片桐が来なかったら……私…振り出しに戻っていたかもしれない。……そして……もう2度と戻れなくなって取り返しのつかない事になっていたかも……」


「そん時は、俺がまた、お前を助ける」



ドキン




「今度は手に負えない位なってると思うよ」

「お前が変われる迄、俺はお前を何度も何度も連れ戻す」


「片桐…」



片桐は優しく頬笑む。


ドキン



「…そっか…だけど…片桐…私…また引っ越すから…私に何かあったら助ける事を出来なくなっちゃうよ」


「えっ? お前マジで言ってんの?」

「…うん…」



私の隣に腰をおろす片桐。




「あんたみたいな男いないだろうね。あんたがいたから変われそうな気がしたけど…私…大丈夫かな?」




スッと私の頬に触れ、優しいキスをした。




ドキン



「頑張るしかねーじゃん!」

「片桐…」

「もし何かあったら自分で乗り越えろ!」

「……無理だよ……私…。…さっきみたいな事ないって言えないんじゃん……」


「…小山…」


「………………」


「私…女の子に生まれなきゃ良かった……片桐…最初で最後の我が儘だと思って…お願いして良い?」


「何?」


「…抱いて…くれる……?」

「……えっ?」


「……関係持つ事は、駄目だって分かってるけど……でも…もし何かあった時…絶対に守れそうな気がするから……片桐以外と関係持たないように努力して守ろうって頑張れる気がするから……」


「………………」


「……ごめん……やっぱり無理だよね……帰るね……」



私は帰ろうと立ち上がる。



グイッと腕を掴み引き止めた。



ドキン



片桐も立ち上りキスをした。



ドキン



すぐに唇は塞がれ深いキスをされた。




「……仮契約しとくか? 次、会える時まで、お前が自分を守れるように。俺が出来る事なら……俺、お前を守りたいから」



「……片桐……」



「お前が俺以外の男に抱かれないようにする為に、お前が自分で自分を守れるように…お互いの為にも…もし、何もなく再会した時は俺との事マジで考えてもらわなきゃ困るけど。でないと俺まで罰あたえられるかも」



「そうだね」



キスをされ深いキスをする。








ねえ神様…


私達の行為をお許し下さい


私は変わります



彼と再会するまで……



再会した時


お互い必要としていますように…


二人が同じ人生を歩めるように…


私は


彼を愛する事を


誓います……




だから…………




お願い…………




神様…………




































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