第4話 身体の異変

そんなある日の事だった。


屋上でぼんやりしていた。




「今月…生理が来ない…毎月周期が乱れる事なくきていたやつがない…まあ、1日、2日の変動はあったけど……おかしい……」



「………………」



「検査薬?いやいや……直接病院が良いよね?」



私は毎日の体調管理の生理に関しては、しっかりとメモを取る癖をつけている。


人によって個人差はあるけど、毎月のものは、1日、2日の変動はあったものの必ずその日の前後にきていた。




「………………」


「様子……見てみるかな?」



ガシャ

金網のフェンスに寄りかかっている私の背後から私に覆い被さるように立ち塞がる人影。



ビクッ



「何か悩んでますって顔してるけど?」



振り返る私の前にのぞき込むように目線を合わせる人影。



ドキンと胸が大きく跳ねる中、そこには片桐 結哉の姿。



「片桐 結哉?」

「どうかしたのか?」

「べ、別に」

「まあ、聞いた所で、そういうと思ったけど」

「だったら聞くなっつーの!」



微かに微笑む、片桐 結哉に、私の胸が小さく跳ねる。




「………………」




≪何だろう?≫

≪コイツにトキめいている感があるのは気のせい?≫




正直私は人を好きになった事がない。


引っ越し多いし、クラスになじめないし、仲良くしようと思わないというよりも


どう接すればいいのだろう?


その思いが強いかもしれない




そんな中、その時期、当時事件に巻き込まれてしまい、すぐに引っ越しとなり今を至っているのだ。



私達は手が届く位の距離でも屋上の金網のフェンスに寄りかかっている。



「お前、男好きになった事ねーだろう?」

「えっ?」

「人を信じないというより信じられない感じあるし」



「………………」



「そうだね。あんたの言う通りだと思うよ。だから男と付き合うとか付き合わないとか、その感覚、正直分かんないかも? 異性を好きになるとかって良く分かんないし。私自身、何の為に産まれてきたんだろうって……」



「………………」



「人一倍、分厚い壁作ってる感じだな」

「そうかもね。心閉ざしているから分厚い壁あると思うよ。だから、心開く事はない。だから関わらない方が良いよって事」



「………………」



「どうせ、つまんない女だから」



そう言うと去り始める。




グイッと腕を掴まれると、180度視界が変わり私の背後には金網があり、私の両手は、彼の片手によって押えられ身動きが取れず、もう片方の手で顎を掴むと、クイッとされ唇が塞がれた。



「つまんねー女っていうのは、お前以外の人間(ひと)が決める事だろう? お前の勝手な思い込みはよせよな!」



ドキン



「俺が、その分厚い壁ぶっ壊してやるよ!」


「………………」


「お前が勝手に作ってる壁だろ?」


「………………」


「お前が関わんなって言った所で、俺、簡単に引き下がらねーから!」




そう言うと去り始める。



「………………」



≪まさかアイツにキスされるとは……しかもアイツもキス上手すぎ……≫





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