本編

S1 鱗文様が特徴の喫茶店 10月31日

――照葉市 寂れた雑貨ビル1F:星を見る――


▶暗く人がいない雑貨ビルにその喫茶店はありました。内装に和風をあしらい、照明に凝っているおかげで、それなりに明るい雰囲気のアンティークな喫茶店ですね。懶げなお姉さんが一人で経営しています。オーダーはブレンドのみ600円の強気の設定ですが、暇人が何人か常連になっていてくれているようです


衣笠「へぇ……。市姫が空手剣道キックボクシングで3連覇ねえ。あの子やっぱなんでも出来るな」

衣笠「――ふふっ。ブレンドはいかがですか?あの市姫って私の知り合いだったんですよ」


影美「それは……凄いですね。ブレンドお願いします」

暁星「オレももらおうかな……。武道はちょっとやったけど、異種競技で連覇って人間やめてるなぁって感じだわ」

葦名 「それこそ私がこれからやろうとしているゲームの主人公のようですわね。忍と言いつつ拳法も習得できるようですの。その割にゲームですから一発もらうだけで戦闘不能になるんですのよ?――ゲームの中なんですから無双させてくださってもよろしいのに、市姫様が主人公だとクリアも楽になるというものですわ」

(わたくしもブレンドを一つ、お願いいたしますわ)


衣笠「そういえば、あなた方には試してませんでしたね。実は私、格好通り魔法が使えるんですよ?」


▶急に野茂のフォームで暁星の方向に向かってピッチングフォームを取ります


▶影美 視線で判定

 成功

▶暁星 思い出で判定

 ファンブル[何もなし]

▶葦名 観察力で判定

 失敗

▶3人共、なにか黄色の破片が暁星の真横を掠めて壁に刺さるのを見ました


衣笠「ナイピー」


影美「えっと……え?え?何、何ですか?」

暁星「はっ?何も持ってなかったよな……?今のは一体」

葦名「ふふっ……。心地よい風が吹きましたわ。これからのゲームプレイに必要なのは動体視力なのかしら……?――勉強になりますが、今のレベルよりはるかに上のものは身にならないのでクソわよ」


▶3人共思わず立ち上がり、壁に刺さった破片と衣笠を交互に見ていますね


衣笠「あら、3人共当たり……?そんな珍しいこともあるんだ」


影美「あ、当たりって、こんなの当たってたら死んじゃいますよ!いきなり何なんですか!」


恋塚「どーも。おじゃましま~す?」

葉生「こんにちはーっと。ここが噂の喫茶て……ん、にしてはみんなスタンドしてますけど。立ち飲み推奨でもしてます?」


▶車椅子の少女と、ギャルっぽい少女が少し時間を開けて入ってきますね。衣笠は笑いかけます


衣笠「あら、いらっしゃいませ。当店はブレンドしかありませんがよろしいですか?」


恋塚「ぶれ~んど?ワタシはぶれんどを飲んだことないので飲んでみたかったりー?」

葉生「まあ、はい。本当にそれしかないんすね」


衣笠「運がよろしいですね。今、当店ではサービスとして私の秘蔵の品を見せようと思っていたんですよ。持ってきますね?」


▶衣笠はすたすたと裏に引っ込んでいきました


葉生「はあ……。まあ、じゃあ勝手に座らせてもらいますか。いや、立ち飲みが作法だったりい?やっぱこういうとこだと勝手が違ったりするもんなんですね」

暁星「そんな居酒屋でもないのに好んで立呑なんてしないよ……。はぁ、金だけ置いて帰ったほうがいいやつかぁ?」

葦名「ごきげんよう。珍しいですわね、私たち以外のお客様だなんて……。立ち飲みでしたら私が配信をしている最中、そちらの壁際でベガ立ちしながら見学してもよろしいのですが……。――今日は配信前の準備で来ていますの。あなたもお好きなところに座るといいですわ」

恋塚「ワタシは見てのとーり立てないのでー。適当に隅へ行きますー」


▶影美が壁に刺さった破片を恐る恐るボールペンで突付くと、キラキラと崩れて何もなくなってしまいました。


衣笠「持ってきたわよ。何持ってるかわかるかしら?」


▶衣笠は両手に抱えるように何かを持ってきます。鱗のように見えますね

▶全員正気度判定

 暁星、影美、恋塚 失敗 精神5ダメージ

▶鱗を見た途端、神々しさと威圧感で全身が勝手に震えてきます


暁星「うっ……。それ、しまってくれないか。まともに見てられない」

恋塚「ぷるぷる。ワタシはわるいス……にんげんではないのでー」

影美「あの……それ、何ですか?」


衣笠「これは、昔拾った神様の鱗ですよ。というかみんな見えるなんて……、今なら宝くじも当たるかもですね」


葦名「なんですの?それ。『神様の鱗』とおっしゃいましたわね……。少し見せていただいても?」


衣笠「いいですが……。その前に会ってもらいたい人がいるんです。皆様、上に来てもらえます?」


▶そう言って、衣笠は喫茶店の玄関の鍵をかけます


葉生「うわ、オフレコ」

葦名「でしたら、後でお願いしますわ。行きましょうか」

恋塚「ぴぎーっ!ワタシはー!ワタシはわるいにんげんではないのでー!」

暁星「一体何なんだよ……ここはただの喫茶店じゃないのか」

影美「……ええと、皆さん見られるみたいですし、私もお言葉に甘えて」


――照葉市 寂れた雑貨ビル2F――


▶エレベーターが開くと暗い部屋ですね。奥に眼帯をつけた少女がドヤ顔で立っています


七歌「わーがなは七歌!誇り高きチカラを持つサイツヨ魔法少女……ってええええポイヒ先輩その人達誰ですか……!?」


暁星「なにかのコスプレか?」


七歌「いえその、目をちょっと抉られたのでこれは治療用のやつで……。ちょ、ちょっとポイヒ先輩……?」


恋塚「ぷるぷる。ワタシは食べるとこ少ないので……捕まえるのはやめてほしーですが……」

葉生「どんな怪物に食べられるのかと思ったら、案外可愛くて安心っすね」


衣笠「この人達、どうやら鍛えてあげれば裂け目見えそうよ。アレやってあげてくれない?」


影美「目を抉られたって……えっと、病院にはもう行かれたんですか?」

七歌「いやまあ、言ったんだけどちょっとね。テクニ先輩が見込んだならまあ間違いないかなあ」


七歌「実は、昔通ってた学校でそういうのが得意そうな部活があったんですよ。見よう見まねですけど、やってみますね」


七歌「コホン。ひゃーーーはっはっはっはっはぁーーーーっっ!!!」


葉生「えっこわ。普通にこわ。目と一緒に脳まで抉られちゃったりしてるんですかね」


▶なんかそれっぽい感じに魔法陣っぽいのを起動させると、青い裂け目が目の前に現れますね


葉生「えっなんか出てきた……こわ……」


衣笠「これが、私達の中で『セカイ』って言ってる代物なの。中に入ると自分の思い通りの姿になれたりするのよ」

七歌「あの……一緒についてきてくれませんか?」

衣笠「ダメですかね……?できたら手伝ってもらえると嬉しいんですが」


影美「さっきから一体何を……あ、あの、私……」

葦名「思い通りの姿……ハッ!でしたら私も『葦名弦一郎』様のような姿に……!?!?――いえ、正気になるのよ私。まだプレイすらもしていませんわ。よく知りもしないキャラクターになることを想像するなんて……。そもそも私自身のステータスというものが追い付いていませんわ。それに『裂け目』に入っても本当に思い通りの姿になんて……」

暁星「何が起こってるかわからんけど、いいじゃねえか。よくわからないものを二度も見せられてるんだ。三度目だって大したこと無いだろ」

恋塚「ぷるぷる……うー、わかりましたー。『この中に何か感じる』と言ってますのでー」

影美「皆さん、凄く落ち着いてるんですね。じゃあ……私も嫌ではないので」


七歌「あ、ありがとう……。わ、私!先に入ってますね!」


▶七歌は裂け目をこじ開けるように中に入っていきました


葦名「ブツブツ…………。いえ、これは想像力が支配する世界なのでは……?でしたら今ここでの迷いが中途半端な結果を招いてしまう……?……ん?」

(あら、開いた本人が入って行きましたわね……。でしたら中の安全も確保されたものではないですか。つまりは私の覚悟次第で姿の変更が可能。でしたら悩んでいても仕方がありませんわね)


葉生「えっ皆行く感じなんすか。胆力すごいっすね……」

恋塚「うー、誰かを助けるのはやぶさかではないのでー」

影美 「自分でもそう思います、何やってるんだろうって……。えっと、あなたはどうするんですか?」

葉生「いや、えぇ……。まあ、頼み込まれて、全員了承してって中で一人だけ手のも寝覚め悪いし。はぁー、腹括るか」

影美「じゃあ、私は後ろの方からついていくので……」

葦名「それでは、私も行きましょうか」


――ヨーデルヨーデル――


▶一行が中に入ると中クオリティくらいのCGで彩られた空間ですね。ところどころに数式や30kmで歩く兄などの謎の文字が書かれていますね


七歌「ちゃんと来てくれたんですね。ところで……あちらの方々はお知り合いですか?」


暁星「なんだよここ、どういうところだ?やけにCGっぽいけど、害はないのか?」


七歌「おそらく……。魔物はいますけど、こっちだと本当に魔法が使えるので、撃退も出来るはずです」


恋塚「ぷるぷる。ワ、ワタシはふつーのにんげんですので……」

葦名「魔物……つまりは敵ですわね?まずは経験値上げが定石でしてよ。そして攻撃パターンの分析、アクションゲームの定石ですわね。これが通用しない相手は大抵クソなのでブチギレていいところですわ」

影美「魔法……。いや、ここまで来て突っ込むのも野暮なんですかね……それで、言われた通りついてきましたけど私達一体何をさせられるんでしょう……」

暁星「魔物?撃退?ここで戦うっていうのか?言っちゃ悪いが、みんな子供ばかりじゃないか。そんな危ないところなら、然るべき人に任せたほうが……」


樟穫「あれ、なんかたくさん人がいる、すいませーん、ここどこですかー……?歩いてたらなんだか急に景色が変になっちゃって……」

葉生「うげ、芽生もいるし。何故来れたし。芽生も不思議ちゃんのお友達パターン?これ実は壮大な仕込みだったりする?」

樟穫「あ、葉生ちゃん……!あの、えっとね、出かけるときは一声かけてくれると嬉しいなって……。あ、でも書き置きしてくれたのは嬉しかったから、その……ね?」

葉生「え、いや勝手じゃん。姉って常に行動監視してくるの?一緒いないと気がすまないの?でもってそれでも煩いから仕方なく書き置きしたら着いてきちゃうわけ?」

樟穫「あぅ……。で、でも、一人で外に出て危ない目にあったらいけないから……お姉ちゃん、心配だから……」

葉生「余計なお世話。私のこといくつだと思ってんの。私の心配より自分の心配したほうが良いじゃん結局訳もわからないままこんなとこに迷い込んでてさ」

樟穫「私はほら、昔から山作業の手伝いでちょっと鍛えられてるし、大丈夫だから……」


妖精さん「あれ?団体のお客さんなんて珍しいね。迷わないうちに帰った方がいいよ、出口はあっち」


▶妖精がふわふわと飛んできて、反対側の裂け目の方に指を向けます。女性が1人いますね


七歌「あっえっと……。はじめまして、露って言います……。魔物をどつき回そうと思ってるんですけど、ご存知ですか?」

妖精さん「まものぉー?あー、奥の方にはなんかいたと思うけど……。やめときなって、なんかいろいろあった気がするから」

七歌「魔物はぶちのめして叩きのめさないといけない運命なんです……!」


葉生「そんな過酷な運命をそんな何人にも負わせるもんじゃないと思うんですけど」

恋塚 「ワタシは魔物ではないのでー……。実際ぷるぷるせざるを得ないと言いますかー」


妖精さん「えー……どうしてもっていうなら案内はするけど、僕だって詳しくは知らないからね?」


七歌「ありがとうございます。じゃあ、そこにいる方々もスマホでこのアプリを入れてください」


▶七歌はスマホを開き、アイリスオンラインⅢというアプリを見せます


七歌「このアプリをインストール、えっと、入れてもらって。こうするんです」


▶七歌がアプリを起動させるとスマホが光り始めます。スマホを床において、光に飛び込むと、赤い帽子とアーマーのファンタジーっぽい衣装に変身しています。杖も持っていますね


七歌「あの、こんな感じです。思った姿になれるみたいです……」


葦名 「ふむふむ……」

(あら?このアプリ、どこかで見たような……)

影美「えっと……とりあえず、そのゲームを入れるんですね……?はい、入れました」

恋塚「ワタシが勝手にぴかぴかにぴこぴこいれると怒られるので……?入れておーけー?面白そう?」

影美「……あの、ゲームって全然やらないんですけど、どうやって操作するんでしょう」


七歌「なんか、起動したら光るので。押してください」


葦名(確か小学生くらいの時に親戚のお姉様がパソコンでやっていたような……。あのときは、『近未来的なゲームの方が面白いな』と思いながら、パーティーメンバーにブチ切れていたお姉様を眺めていましたわね……)

葦名「って、しまったですわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


▶スマホの方に1歩踏み出すと、赤が特徴的な袴に切り替わっていき風貌に合わないエクスマキナのような無機物なものが耳についています。かなり大きいマフラーがくっついて離れないようですね


葦名「結果がこれですの……?侍は踏襲されていても変な頭のアクセサリに……なんですのこのマフラー、クソ暑いですわ」

葉生「はぁー。まあいいわ。進行形で過ぎてることだし。んで?これ起動するとどうなるって?」

恋塚「ぴぎゅ……だいじょーぶか不安な?」

影美「起動ってこれを押したら良いんでしょうか……?あれ、光が……」


▶スマホのアプリに包まれるように身体に降り注ぎ、教会のシスターのような見た目に切り替わります。眼鏡がアクセサリーに変わり、ローブやベールなどには星の意匠が施されています


影美「……ほんとに変わっちゃった」

暁星「仕組みがまるでわからないけど、目の前で見せられたならやるしかないよな」


▶スマホを起動させ、中に吸い込まれるように入ると荒野に突き刺さる剣が見えます。錆びてボロボロの剣を手に取ると、何処か懐かしい気持ちになり意識が覚醒して戻ってきます。スマホから抜いた剣はイメージより数倍大きい大剣でした


暁星「っと、これでいいのk……って重っ!」

暁星「それっぽい武器が出てきたのはいいけどさぁ。来てる服は普通に今のやつって感じじゃん。まあ革っぽいし丈夫そうだから刃物使うにはいいんだろうけどさ」

恋塚「うーんと……ぽちっとな?」


▶スマホを車椅子に当てると車椅子ごと全身が白い炎に包まれ、真紅の特攻服に釘バットを持った姿に変貌を遂げています


恋塚「ヒーハハァ!こっちならアタシが出られるってわけだなスラ子ォ!さーて燃やされたい奴は何処にいるんだァッ!?久々に暴れてやるぜッ!」

葉生「いや、変わりようえっぐ。えーっとPUSH to STARTでっと」

樟穫 「あ、まって葉生ちゃん、なんだか怪しいよ……あっ……」


▶光に包まれ、赤のタンクトップにショートデニムパンツに変わっています。毛量とメッシュも増え、ヘッドホンを首に提げていますね

▶それと同時に、煙が立ち込めアラビア系の民族衣装の少女が現れます。


葉生「ふーん。って露出やば。……でも悪くないじゃん。へぇー」

アズラク「え? これって。芽生さん! 私大きくなりました!?」

樟穫「わわ、わっ……!?ちょ、葉生ちゃん、そんな露出、ちゃんと隠して……。え、あれ、アズちゃんも大きく……!?なんで……!?」

樟穫 「これ……私も、やらなきゃですか……?でも、葉生ちゃんもやっちゃってるし、何故かアズちゃんも大きくなってるし……ええい、ままよ……!」


▶スマホを恐る恐る地面に置き、髪の色が紫に変わっていき、宝石のような装飾をあしらったマントやブーツなどで着飾っていきます。ケモミミつきの魔法少女のような見た目になっています


樟穫「わっわっ……。えーと……私、どうなって……?なんか、ちょっとスースーするような……!?きゃー!?ちょ、まって、着替え!元の服に戻してぇ……」

恋塚「なんだなんだ!?ここはコスプレ会場かァ!?アタシが寝てる間におもしれーことになってんなァ!」


七歌「なんか適合してるとおのおの多分自衛も出来るらしいので……改めて案内お願いしますね。えっと……にゃんにゃんさん」


影美「自衛ってあの、私達一般人なんですけど……。いや、少なくとも私は、なんでしょうか……」

葦名「は?私の武器侍なのにアケコンなんだが?????」

七歌「ぶれいくすぱいらーる」

樟穫 「ほんとにまって……、せめてマントの内側の服だけでも変えさせて……。そ、そうだ、もっかい光に飛び込めば……」


勇聖「ほぉー……面白いね。あっちょっと待って、えっとね……。そう、僕狩茂勇聖」

七歌「カモくんおねがいしますー」


▶妖精さん、カモくんの案内で奥に進むと、トゲトゲがいっぱいの通路のようですね。ジャンプするとトゲの位置が入れ替わるようです。うまいことすり抜けて行きたいところです

▶アズラク 剛力で判定

 成功

▶影美 集中で判定

 成功


アズラク「あ、じゃあ私がいきますね。えいっほいっはいっ! っと」

影美 「何だか、テレビの番組でやってるアトラクションやってるみたいですね。出てくる場所さえ覚えてたら通れなくもない……かな?」


葦名(大切なのは観察力でしてよ……パターンと、抜け道となる答えの記憶……!初歩ですわ)

恋塚「はー、やるじゃねえか」

樟穫「おおー……アズちゃんすごーい、私より動けるんじゃないの?」

葉生「完全自律してるって、いよいよ呪いの人形じみてきたな……」

アズラク「えへへー/// いろんな子といろんな遊びを遊んできましたからねー!」


▶通路を通り抜けると、ダンサーが立っていますね。チュッチュ言って決めポーズを決めています


暁星「棘の次はなんだあれ?無茶苦茶だな」


七歌「あっこれセガで見たやつだ」

恋塚「あー?ああスペチャンか!オヤジがやってたな」


▶恋塚 説得で判定

 成功

▶勇聖 演技で判定

 失敗 6ダメージ


タキシード「アップ!ダウン!」


恋塚「ヒーハハァ!久々にやるのも悪くねぇなァ!」

勇聖「こっから先いけたことないんだよ……今どうやったの!?あれー?」


▶タキシードは満足したのか、奥に案内してくれます。奥にはおもちゃの銃が2つおいてありますね。奥からゾンビっぽいハリボテが大量に出てきますね。少しづつこちらに近づいてきていますね


葦名「ここは私にお任せくださいな。この銃も見た目通りおもちゃですが、シューティングゲームと大差ないでしょう。ジャンル外でもちゃんと見ていましてよ」


▶葉生 快晴

▶葦名 銃知識で判定

 失敗 3ダメージ

▶暁星 銃知識で判定

 失敗[啓示]6ダメージ

▶ハリボテのゾンビに噛まれます。めっちゃ痛いですね


暁星「実物は触ったことあるけど、ゲームはなぁ……あっやべ外した」

葦名「この銃、おもちゃだからって銃口曲がってんじゃねーんですの?もうちょっとメーカー厳選しなさいな」

葉生「まあガンシューって意外と難しいですし。頭狙うより当てやすいとこ狙ったほうが安定するっぽいっすよ」

暁星「おかしいなぁ散々訓練で……。いや、言い訳してもあれだな。はぁ……」


▶銃の台が下がり、代わりにハンバーガーのおもちゃと木槌が出てきますね


葉生「これは何、ダルマ落としでもすればいいの?」

樟穫「よし……葉生ちゃん、いっしょにやろう?……てやーっ!」

葉生「え、イヤだけど……」


▶葉生 バランスで判定

 成功

▶樟穫 瞬発力で判定

 成功


▶台が下に降りていき、階段が出てきます。更に奥に進むと開けた空間に出ますね。大量のノートの魔物の真ん中に、switchの真ん中に鉛筆がぶっ刺さった魔物が、配下の魔物に指揮を執っていますね


switch鉛筆「勉強をシナサイシナサイシナサイ……」


葉生「うわ、素直にうざ……」

アズラク「勉強は大切ですよ葉生さん」

影美「あれがさっき言ってた魔物なんでしょうか。何というか……随分と教育ママっぽい魔物なんですね」

恋塚「あー?アタシは難しい話が嫌いなんだよ!ヒーハァ!ぶっ潰してやるぜッ!」

勇聖「やりたいときにやればいいんだよー勉強なんて」


七歌「周りの魔物は私が蹴散らします……!黄昏よりも暗き存在、血の流れよりも赤き存在……以下省略!エクスプロージョン!」


▶杖から爆焔が飛んでいき、周りの雑魚を全て蹴散らしますね。中央の魔物だけ、ボロボロですが残っています。動けないのか、ぐったりと倒れ伏していますね


七歌「あの、私もう動けないので……後はお願いします……」


アズラク「す、すごいです! 爆発しましたよ!」

暁星「一掃できるなんて爽快だな」

恋塚「つまりはコイツをぶっ飛ばせばいいんだなァ!?」

葦名「こいつ事前予告もなく大技ぶっ放して勝手に倒れましたわね……」

影美 「お願いしますというのは……もしかして、私達があれを倒さないといけないという事ですか?」


七歌「前一人で行ったらこうなるって知らなくて目抉られたんですよね。コスプレ感上がっちゃいました」


葦名「気絶することで事の顛末をこちらに丸投げするだなんて、シナリオ前半で勇者としての能力を失ったナビゲーター並みにクソわよ」


七歌「動けないだけです……」

葉生「いや、余力って帰るまで残しておかないとダメなんじゃ」

樟穫「え、ちょっとまって、私達アレと戦う?……の?」

恋塚「殺るッ!潰すッ!燃やすッ!ヒハハハハァ!ぶっ壊してやんよ!」


▶魔物鉛筆が発射され、君たちの目の前の地面に着弾しますね。地面が抉れていますね


葉生「ヤバ、これ目抉られるどころかそのまま突き刺さってお陀仏じゃん」

葦名「これ、練習台じゃないんですの!?威力がフロム作品ですわ!!!」

樟穫「ひえ……やばい……。冗談じゃないよ……葉生ちゃん、私の後ろに隠れてて……!」


七歌「なんとか邪魔しない位置に這いつくばって移動するから……お願いします……」


アズラク「って!? ひぃ……!! 助けて……ソードダンサー!!」


▶アズラクが悲鳴を上げると、宙に浮き身体が引き裂かれるようにして3mを超える巨大な骸骨が姿を顕します。


(呼んだな……我の名を……!!)

(我が名は"ソードダンサー"! 神メスケネトの戦士、ファラオの剣、死者を守る者!)


アズラク「「ソードダンサーが私で、私がソードダンサーで?――え、どういうこと? 目線が高い! 怖い怖い怖い!」」


樟穫「ちょ、アズちゃん……!?」

勇聖「なにこれ、魔物増えた?」

恋塚「ヒハハハァ!いいじゃねえか!敵だとしても最終的にぶっ壊してやるだけだァ!」

葉生「物騒なん多すぎじゃない?大丈夫?これ私らこのあとちゃんと帰れんの?」

樟穫「……あれ、なんだろ、紙……?」


▶パピルスには、人形がもともと1対であること。彼女が焼け残りであること。そして、灰になった対の人形の骨も入れたことが書かれていました。


樟穫「アズちゃんの由来なのかな……?いい話だなぁ……」

アズラク 「「……だから光が見えた日からソードダンサーがいなくなったのね。いいえ、いなくなったんじゃない。ずっと一緒だったんだわ、私たち……」」


アズラク 「「我が名はソードダンサー! 神メスケネトの戦士、ファラオの剣、死者を守る者。そして、アズラク・アルラ・ニハーヤ・ハーディスです!」」


葉生「いやこわ。これ後ろからも襲われたりしない?ほんとに、え、これ平気?」

暁星 「後から現れたのは敵なのかしらんけど、とりあえずあの敵さんの元親玉をたたっ斬ればいいわけだ」

葦名「ふっ……。私を舐めてもらっちゃ困りますわ。『私』でしてよ」


 戦闘開始!


▶暁星 ローカル知識で判定 深赤 通常攻撃

 成功[人間振り直し][導引]52ダメージ


暁星 「先手必勝……!剣の使い方なんてわからねえけど、重いもんでぶん殴れば壊れるだろうが!」


▶switch鉛筆 ロケット鉛筆(3体に物理3D7。回避可)

バトエンルーレット(全体ターン終了時、死亡時に2体に物理3D8。回避可)

▶恋塚勇聖樟穫 戦闘回避

 恋塚樟穫 失敗 10ダメージ

▶割れた液晶から鉛筆が錬成され、そのまま射出してきます


勇聖「おっとあぶないあぶない」

恋塚「ゲフッ……ヒ、ハハァ!」

樟穫「いっ……たぁい……!だ、大丈夫、葉生ちゃん、当たってない……?」

葉生「いや、だから、自分の心配をしてって」

アズラク 「「芽生さん! 大丈夫ですか?」」

勇聖「大丈夫、僕だって戦えるよ。なんだって楽しんだもの勝ちだよね!」


▶くるっと回って指を鳴らすと、オーバーオールのポッケからビー玉がぽろぽろ湧いてきて周りを漂います


▶勇聖 ゲームで判定 通常攻撃

 成功 成功[導引]18ダメージ[追撃]15ダメージ

▶樟穫 通常攻撃

 成功 13ダメージ[追撃]6ダメージ


勇聖「飛び道具勝負だ!」

樟穫 「えーと、えーと……。魔法……う、うおー!なんかでろー!」

葦名「回避動作なんてクソ食らえですわ!!近づいて弾き!体幹削って一撃狙いがフロムのコツですわ!!!!」


▶葦名 通常攻撃

 成功 12ダメージ[追撃]11ダメージ


葦名「今ので倒れねーんですの?今の確実に液晶壊しましたわよね??」


▶恋塚 魔神剣[足刀蹴り] 魔神剣[足刀蹴り]

 成功 成功 8ダメージ 10ダメージ[追撃]6ダメージ 6ダメージ 12ダメージ 11ダメージ

▶影美 ヒール 葦名

 16回復


影美「こうやって……教会でお祈りしてるのを見たことあります。――良くなりますように」

恋塚「ヒーハハァ!森羅万象燃えつきろォッ!」


▶攻撃で完全に液晶が割れ、鉛筆が飛び交うように朽ち果て、キラキラと消えていきました

[バトエンルーレット]

▶暁星 葦名 戦闘回避

 成功

▶魔物が消えたことで、空間が崩れ落ち始めます。少しづつ空間が狭くなっていっていますね


七歌「誰か……担いで……」


葉生「いやアンタ本当に無計画にぶっ放してたんすか」

恋塚「あー……、悪いがアタシも時間切れでなぁ……。スラ子じゃ運べねえよなぁ……」

アズラク「「じゃあ大きい私が運びますね」」


▶骨の巨体に七歌は担がれます


葉生「いやこわ、どう見ても子供さらってく怪物じゃん……。ちょうどハロウィンだし」

恋塚「ぷるぷる。ワタシは悪いスライムではないですがー。力も無いのでー」

暁星 「ところで、これこのままじゃまずいんじゃないか?なんというか空間が狭まっているというか……このままじゃ押しつぶされないか?」

影美「あ、怪我は治しておきますね。……こんな風に誰かの役に立てると、まるで自分が凄い人みたいに思えちゃいますね」


勇聖「あーあ、この場所壊れちゃうなぁ。しょうがないよね……。外の世界かぁ……」


葦名「とっとと戻って全世界に初配信ですわよ!弦一郎様みたいになれなかった時点でこの世界にとどまる理由はないですし!」


アズラク「「痛っ! 痛っ!? 大きすぎてぶつかる!!」」

樟穫 「わー……!アズちゃんすごーい…… !!葉生ちゃん、大丈夫そう?お姉ちゃんが後ろについてるからね」

葉生「はぁーうざ。自分の立場わかってるのかって話。私よりよっぽど芽生のほうがもらってたじゃん。もういいよ、そんならお言葉に甘えて私は勝手に帰らせてもらうんで」


▶脱出判定

 アズラク 12ダメージ 暁星 6ダメージ


――照葉市 寂れた雑貨ビル2F――


▶崩れていく空間をダッシュで裂け目を通り抜けると、もとの暗い部屋でした


葦名「華麗にベガ立ち着地っと……」

恋塚「ぷるぷる。こわかった」

アズラク「帰ってこれましたよ!」


▶人形に戻った為、七歌が放り出されて壁に打ち付けられます


七歌「きゃっ……。痛い……私そんな重くないはず、はず……」


樟穫「ふぅ……よかった、無事に抜けられた……。葉生ちゃん、大丈夫?怪我してない?……それで、ここどこ……?」

葉生「だからいちいち鬱陶しいって。これ何回目?クイズ王にでも出るつもり?」

樟穫「だって心配なんだもん……でも、平気そうだね、よかった」


衣笠「初めての冒険はどうだった?七歌みたいに目抉られたりしてない?」


暁星「戦いなんて数だからな。一人じゃだめでもこれだけ人数がいればなんとかなるよ」

影美「確かに、その魔法みたいなものは使えましたけど、何だか実感沸かないですね……。今見てるのが全部夢って言われても信じてしまいそうです」

恋塚「ワタシはぷるぷるせざるをえなかったと言いますかー」

樟穫「あ、よかった、服が元に戻ってる……。アズちゃんもまたちっちゃくなっちゃってる」

アズラク「あ、そうだ! 芽生さんさっきの傷大丈夫ですか!」

樟穫「私も全然だいじょう……っ、うん、大丈夫、だよ」


衣笠「それで、こちらの人たちは?」


恋塚「あー……みちづれ?」

勇聖「出てきたのはいいけどこれからどうしよっかなー」


七歌「ナット先輩ー向こうでなんか拾ってきましたよ」


▶ふらふらとしながら立ち上がり、ハンバーガーのおもちゃを衣笠に渡します


衣笠「これはいいわね……。こういうの、あなた達も持ってない?それなりのお値段で買い取るんだけど」


暁星「そう言われても意識して拾ってるわけじゃないから……。あっ画面割ったときの破片か?ゴミみたいなもんだけど」

恋塚「ぷるぷる。えんぴつとかありますが」

影美「私も、洋服についてた紙切れぐらいなら持ってます」

樟穫「私も何か……うーん……あ、靴の中に砂みたいなのが……これも……?」

葉生「switch欲しさに拾ってしまったこれなら。なんですか?修理でもしてくれるんですか、この穴空いたやつ」


衣笠「いいじゃない……!!これ、1つにつき65万で買い取るわ。もらえるかしら?あっ誓約書いるなら書くけど」


恋塚「お金はひつよーなのでいただきまー」

勇聖「あっ、素材あるよ!ついでだから僕も拾って!三食昼寝付きでよろしく!!!」


衣笠「まあ、いいわ……。その代わりちょっと色々削らせてね」


葉生「ろくっ……、って法外すぎませんかね?大丈夫?裏から黒服の人とか出てきたりしないっすよね?」


衣笠「ただのポケットマネーよ。昔、ちょっと宝くじにあたったの」


影美「何だか、危ない事に手を貸してるような……」

葉生「お金配る人ってSNS以外にもいるんだ……。いや、あれもなんか嫌で参加してないけど」

葦名「それは置いといて衣笠様?乗っかった私も私ですが、早く例の鱗見せていただけません?持ち物なら全部買取希望ですが、新規アプリで釣っといて異世界に飛ばすとか聞いていませんし、変なハリボテにかみつかれてクッソ痛くってブチのギーレェですわよ」


衣笠「いいわ。でも今日は人も増えてちょっとゴタゴタしてるし、また明日ね。――七歌が使い物にならないと困るのよ」

七歌「まあまあデボン先輩。素材買取にまた来てもらえばいいんですよ。私一人じゃ探索はアレですし」


暁星「定期的に同じようなことやれってのか。まあ、あの程度の危険なら割の良い小遣い稼ぎにはなるなぁ」


衣笠「そうね……。銀行に行かないと今すぐお金を大量に出せるわけじゃないし、後日来てもらっていいかしら?うちは年中無休でやってるから」


葦名「そういうことでしたらまた後日、ブレンドを飲みに来た時にでも。それではごきげんよう」

(私のは銃口が曲がってるかもしれない『おもちゃの銃』ですが、これも買取っていただけるのかしら?)

恋塚「わかりまーしたー。ワタシ、コイヅカイチジク。コンゴトモヨロシクー?」

影美「何だか、私達勝手にまた今後も同じことをする話になっていません?何でもいいですけど……」

アズラク「ソードダンサー……。私の中に居たんですね。そしてあのセカイならばまたお話できるんですね……」

樟穫 「えへへ、葉生ちゃんへのプレゼントがもっと増やせる……そうだ、アズちゃんにも何か買ってあげるね」

葉生 「嘘じゃん……。え、これ何、新たな嫌がらせ?やっぱ仕込んできてない?私の受難続くどころか増えてくの?はぁー……」


勇聖「んっふっふ~楽しみだなぁこれからの生活」

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