第10話 目が覚めるとそこは····



 優子とナナは何故か極上のベッドで眠りについていた。


 二人がそれぞれに目を覚まし、ゆっくりと思考がハッキリとしてきた。すると優子とナナは····


「あ、知らない天井····が無いぃー!」

「ううぅっ。一度言いたかったセリフが······」


 どうやら二人は一度は言ってみたかったセリフが言えなかったようだ。まぁ、それもそのはず、二人は確かに極上のベッドで寝ていた。

 しかも、二人は漫画やアニメの様な戦いを女神に挑み、女神に勝ってしまったのだ。

 しかし、二人は力尽き果て眠りにつき、目を覚ませば知らない場所で、しかも極上のベッドの上だった事もあり、二人はせっかくのチャンスとばかりに、一度はリアルで言ってみたかったセリフ『一生の内に絶対言うぞ!リアルセリフベスト10』(なんのこっちゃ?)の1位が言えなくて落ち込んでいたり怒りを顕にしていた。


 そう、そこには天井がなく只々青く綺麗な広い空があった。


「くっ、こんな演出しやがって!」

 優子は怒っていた。

「ううぅうぇ〜ん。酷いよ、せっかくのチャンスを····」

 ナナは泣いていた。


 この二人は、今自分が置かれている状況を全く持って理解していない。いや、理解して楽しんでいる?みたいだった。


 優子とナナはベッドがら起き上がり、空とベッドしかない空間をキョロキョロと見ていた。

 すると、いきなり二人の前には一人の女性が姿を現した。

 優子とナナは先の女神との戦いで、反射的に臨戦態勢を取る。

 二人の前に現れた女性は、もう明らかに女神だと分かる綺麗な顔とサラリとした綺麗な腰まで伸びている金髪とスタイルは文句なしで···二人はきりがないので、現れた女神?に対する評価は止めた。


「ナナ、私が先に逝くから、待ってるね。」

「うん。私もすぐに逝くから絶対に待っててね。」


 この二人は一体何に感化されているのか?


「優子とナナね。はじめまして。私は女神の····キャー、ちょっと何するの!」


 優子はレベルが上がり、信じられない程の身体強化で女神に殴りかかった。

 女神は咄嗟の事ではあったが、素早く優子の攻撃を躱した。しかし、その後にナナが続いて女神に抱きついた。

 ナナもレベルアップの影響で、自分でも信じられない程の早さと力を手に入れていた。

 女神に抱きついたナナは力を一杯抱きしめる。


「ま、待って、ちょっと、本当、苦しいから離して!」


 ナナはさらに力一杯抱きしめる。

「いったタタタ!」


 今度は優子が動きの止まっている女神に攻撃を仕掛ける。


「ちょっと、あなた達!一体何をしているのですか!」


 突然、一人の女性が現れて、三人は怒られた。


「優子、ナナ、そしてアイリーン!これは何事ですか!」


 はい、恐らく優子とナナの勘違いか、セリフが言えなかった報復かどちらかと。


「あなたは誰?」

「ここは何処?」

「お、お姉様助かりました。」


 一人増えた女性も、優子と

ナナから見たらムカつく程女神に見えた。

 ただの嫉妬だった。 



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