第4話 今だに開かない教室の扉
バタッバダっバタっバタっバタっバタ。
自衛隊の大きなヘリコプターが学園の校庭の上空でホバリングしている。
「あ、あれチヌークだね。」
なぜかナナが嬉しそうにヘリコプターの名前を一緒いる·······
「え?チヌールって、あのヘリコプターの事?」
「ふふふっ、血塗ーるって、そんな気持ち悪い名前のヘリコプターなんか誰ものらないよ?」
「いや、確かにそんな怖そうなヘリコプターは私もやだな。」
「優子、血塗ーるじゃなくてチヌークだよ。人を沢山運べるヘリコプターだよ。ほら、自衛隊の人達がロープを使って降りてきたよ。」
「本当だ。」
ヘリコプターから自衛隊隊員が次々と降りてきた。降りてきた自衛隊隊員は何人か一組になって、次々と校舎の中へ走って入ってきた。
「優子、ワクワクだね。」
(この娘、本当にワクワクしてるわ。私には、何がワクワクするのかわからない。それより、教室の中にいたクラスメイトが心配でソワソワしてたかな?)
さっきまで帰る話をしていませんでしたかな?
タッ、タッ、タッ、タッと大きな足音が聞こえてくる。
すぐに警察の偉い人と自衛隊の人が先生を交えて話を始めた。
(へぇ〜、警察の人も自衛隊の人も挨拶は同じ敬礼みたい。)
優子はどうでもいい事を考えていた。
クラスメイトは心配じゃないのか?
「何をするのかな?やっぱりC-4とか使って扉を開けるのかな。」
ぽあぼあした、未来の聖女で現在は普通の?女子高生がいがいきなり物騒な事を言い出した。
しかし、優子はそれが何かを知らないので、一応ナナに訊いてみらた。
「ねぇ、ナナ。さっき言ってたCの80ってなんの事?」
優子は人の話を最後までちゃんと訊かない娘だった。いや、これまでの会話で知ってましたが、さすがにブラのサイズと爆弾では話がかなり違うので、ツッコませてもらいました。
「Cの80?優子のブラのサイズ?」
優子は何で今ブラのサイズの話しになったのかがわからなかった。
「いや、さっきナナが自衛隊の人がCの何とかを使うかな?って言ってたから。」
「あぁ、C4の事ね。優子に簡単に説明すると爆弾の事だよ。」
「ば、爆乳?わ、私はそこまで大きくないからね!綺麗な形をした巨乳だから!でも、何で爆乳が必要なの?爆乳で扉が開くなら、ナナが開ければ済む話じゃない!」
これにナナも反論するが、この二人は、今の状況を本当にわかっているのだろうか?
「ひ、酷いわ!わ、私のだって優子と一緒で綺麗な形をした巨乳なんだから!しかもなんで爆乳で教室の扉が開けられるの?」
「え、だってさっきナナがCのナンチャラが爆乳だって言うから。」
大きな溜息をつくナナ。
「だれが爆乳なんて言いました?爆弾よ爆弾!いい、優子ちゃんと訊いて。バ•ク•ダ•ンよわかった?」
優子に詰め寄りながらおこちゃまでもわかる説明をするナナ。
「あっ、爆弾ね。あははっ。私、爆乳ってみえた••••じゃなくて、聞こえた。」
優子はナナの大きな胸を見ながら答えたが、ナナにウソがバレると不味いので、無理矢理に自分の発言を訂正したが、遅かったようだ。
「へぇ〜、優子は私の胸をが爆弾に見えるんだ。」
黙り込む優子。
「ほら、ほら、いいよ。優子
だから、特別に私の爆弾を触らせてあげる。」
ナナは両手で自分の胸を揉み出し、さらには優子の両手を引っ張り出し、自分の胸を触らせる。
ナナのその一連の早い動作について行けず、ナナに両手の自由を奪われた。
(え?何これ。)
ナナは優子の両手で自分の胸を揉ませる。
(ちょ、ちょっと待って。ナナの力が凄く強くて、離す事ができない。)
両手の自由を奪われた優子はナナのあまりにも強い力と動作の速さに驚きを隠せなかったため、優子は一体どう言う事なのか頭の理解が追いつかない。ぽあぽあしたナナは、当然運動は得意ではないし、お嬢様なのでこんな力がある訳ない。ナナに理由を聞こうとしていた。しかし。
「今から全生徒は、大至急体育館に集合するように。今から10分以内に全生徒は体育館に集合するように。この指示に背いた者、訊かなかった者、体育館に集合しなかった生徒は退学処分にします。」
スピーカーから、おそらく学園長らしき人物から放送が流れた。
「ナナ、手を離して。私達も、早く体育館に行かないと。退学処分になったら両親や親戚なんかに一生何を言われるかわかったものじゃないわ。だから早く私達も体育館に行きましょう。」
学園長のナイスなタイミングでの放送で、優子は両手を離してもらえた。
二人は早歩きで体育館に向かうが廊下から階段にいたるまで、全校生徒の一斉での大移動の為と、事件の為警察官、消防隊、救急隊、生徒と先生で大渋滞をおこしていた。
(あれ、こんなに体育館に行くのに時間がかかったら、10分以内の集合に間に合わないじゃない?)
優子は退学の2文字が•••正解には4文字だが、考えがよぎった。しかし、となりいるナナが優子にとんでもない事を言い出した。
「優子、人が多すぎて酔っちゃった、、うっ、気持ち悪い。」
優子は耳を疑った。
「ナナ、だ、大丈夫?」
「だ、ダメ。もう口から虹色の物が出てきそう。」
あ、オワタ。と優子は思った。
まぁ、いいか。緊急時だし、退学になるならナナと一緒だし。
呑気な勇者優子だった。そして····
ひ弱な聖女ナナは····
「だ、め。トイレに·····」
ナナはトイレに向かった。その後を、ヤレヤレって感じの優子が後を追ってトイレに向かった。
しかし、このトイレ事件(優子が名付けた事件)が、今後の二人にはハタ迷惑極まりない話しになった事件の始まりだった。
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