第2話 これから何が······


 パトカーや救急車、はては消防車までかなりの数の車が学園の敷地に、サイレンを鳴らしながら入ってきた。


 全国でもかなり有名な学園での事件との通報で、警察は重大事件と感じた警察が、多くの車両と人員を手配したのだろう。


 次々と、先生の案内で警察や消防隊員が教室まで走ってきた。

(廊下は走ってはいけません。)


「何があったのか、詳しく知っている人いますか?」


 警察の人が私達に話を訊いてきた。


 さらに、次々と警官や消防隊員がやってきて、廊下は大渋滞。


「君は、このクラスの娘だね?何があったのかわかるかな。」


 一人の警察官が話をしてきた。


 いや、私に訊いても私自身が何があったのかわからないのに、あきらかに「コイツに事情を訊けばわかるだろう。」みたいな顔をして訊いて来る。


 ただ、私は何か嫌な予感がして、咄嗟に優子を引っ張って出てきただけだから、何が起こったのかわかるわけがない。


 何かちょっとイラッとした優子がナナの横から警官にはこう言った。


「私は〜、ナナと〜、一緒にトイレに行こうとしたら〜、なんか急にぃ〜、教室の中が騒がしくなってぇ〜、何かあったのかなぁ〜、と思ってぇ〜、教室にぃ〜戻ろうとしたらぁ〜、教室の扉が開かなくなってぇ〜、教室の中からぁ〜、なんかぁ〜叫び声?みたいな感じでぇ〜、それでぇ〜、110番しましたぁ〜。」


 ざまぁ〜。


 この緊急時に何をしているのか、近い将来の勇者は。


「そ、そうか。わかった。」


 優子、今どきそんな事を言うギャルもあんまりいないと思うかも····


 警官は、「うん、ダメだ。俺の一番苦手なタイプだ。」と、すぐに話を打ち切った。重大な事件が起きている事がで、しかも一番の目撃者なのに、警官としてはあり得ない事なんだが。


「だ、ダメです。何をしても扉が開きません。」


「後の扉も壊してもビクともしません。」



 うん、マジでヤバい事態だった。


 未来の勇者は、ナナに介抱と言う名のイチャつきをしていた。



 え?、勇者って百合?



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