12話:この歳になるとロマンに進むのに勇気がいる。
「レベル上がったか」
攻撃を弾くだけでダメージは一つも与えられないパリィではモンスターを倒すことができない。
しかもこの2日めちゃくちゃパリィしかしていないため、ろくにモンスターは倒していない。
本当ならパーティとか組むとここらへんは解決できるのだろうが、周りでこのゲームやってるというやつはまだいない。
結構面白いのにな……
「ステータス、スキル……」
HP(体力)…62
MP(魔力)…47
STR(筋力)…63
VIT(耐久力)…60
INT(知力)…46
SPD(速力)…80
CON(スタミナ)…70
LUCK(運命力)…53
MC(魔力操作)…46
スキル:先見の瞳、強きの瞳、パリィ
【先見の瞳】
効果:世界の先を見る瞳。
前から思っていたけど、このゲームだいぶ説明が少ないよね?
まぁ言っていることは何となく分かるんだけど、それでももうちょっと説明くらいしないのかよ……。
ステータスに関しては、結構育っているのと育ってないのがはっきりしてきたな。
速力とスタミナが結構あるのはやっぱり結構な連戦したり、双剣を使っているから……か?
イマイチ何をしたらステータスのどれが上がるというのは分かりづらい。
使ったステータスが上がる、とは攻略wikiでもよく見るけど、使っているの基準が分かりづらいのよな。
使っていないのははっきり分かるんだけど。
フリーポイントは相変わらず振っていない。
……そろそろ振り分けるか。
残っているのは45ポイント……
HP(体力)…62
MP(魔力)…47
STR(筋力)…63
VIT(耐久力)…60
INT(知力)…46
SPD(速力)…125
CON(スタミナ)…70
LUCK(運命力)…53
MC(魔力操作)…46
「やりすぎたかな……」
残っているフリーポイントをすべてSPDに振り分けた。
前から上がっているステータスということもあって、三桁に突入している。
正直こういう極振りが嫌いなわけではない。
しかし初期ステータスは平均で振っていた。
それは自分がどんなスタイルでゲームをするのかを決めたいなかったからだ。
しかし今はパリィを活かすために時間も金も努力も使っている。
だからこそ、ステータスもそうするべきではなかろうか?
「って、誰に説明してるんだか」
肩を落としながら、ウィンドウをすべて閉じる。
一応襲われる状況ではあるのだが、ここらへんはモンスターの数が少ないのか、それとも襲ってくるモンスターがいないのか襲われていない。
「ここらへんのモンスターは森の上位種、なんだよな」
北の森、でも東か西に行くと出てくるモンスターの種類が違ってくるらしい。
しかし、別に新しいモンスターが出るというわけではなく、真北のモンスターの亜種が出る。
ここでは、ホーンラビット、メイジゴブリン、スライムファイターが出てくるらしい。
東の方に来てから、すぐにホーンラビットに遭遇したため気にしてはいないが見てみるのも良いかもしれない。
まぁ、適正レベルではないんだけど。
「どこ行こうかな」
辺りを見渡して、どちらの方に進もうか、なんて考える。
東の方に進んでもいいし、北の方に進んでも良い。
森を抜けるか、東の荒野に向かうか。
ここらへんの情報はあるが、その先のことはまだ調べていなかったので、まだ見ぬ景色に胸躍る。
そう、まだ何も見えていない。
大樹が生い茂り、自分というものがちっぽけに感じるこの場所には、まだ何も見えていない。
モンスターも、人も。
何も見えていないはず、だったが、
突如、目の前に拳大の火球が現れた。
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