2話:キャラ制作って楽しいけどマジで悩むよね
『Yggdrasil ユグドラシル』
最近流行しているVRMMOゲームの一つであり、今日この日からサービス開始した。
ゲームの目的は、ユグドラシルを集めて、Yggdrasilを作り出すこと。
何を言ってるんだと思われるかもしれないが、簡単に言うとドラゴンボール的なあれだ。
集めると願いが叶う的な。
集めるボールがカタカナ表記のユグドラシルで、神龍に当たるのが、英語表記のYggdrasil。
何やらYggdrasilを生み出すことにより、命の流転を再開させる……らしい。
まだ調べ物段階だからか、それともまだサービスが開始してから一日も経過していないせいなのか、この世界観的な情報は集まらない。
それに比べると、ゲームシステム周りの情報は集まっている。
「初期設定……」
世界観に関してはゲームをプレイしてから味わおうと後回しにし、ゲームにダイブせずとも終えることができるキャラ制作を行う。
HP(体力)
MP(魔力)
STR(筋力)
VIT(耐久力)
INT(知力)
SPD(速力)
CON(スタミナ)
LUCK(運命力)
MC(魔力操作)
これらがプレイヤーを差別化する数値群だ。
少し普通のゲームでは無い項目があるが、パッと見て理解できる。
とりあえず、このゲームに関しては、プレイヤーは基礎として全てに5の値を保有している。
それで、レベルアップや武器防具によってこの値は変動し、戦闘能力に影響がある、ってことか。
初期として自由に振り分けることができるポイントは50ポイント。
全部に大体5か6ポイントを振り分けれる、と。
調べによると、初期にスポーンする街の周辺のモンスターは
初期ステ(5)で、5ダメージ
均等振り(10)で、2ダメージ
極振り(55)で、0or1ダメージ。
クリティカルに当たるとどんな攻撃でも最低1ダメージ当たる、らしい。
というの初め、適当に情報を流し見しながらできたのは、
HP(体力)…10
MP(魔力)…10
STR(筋力)…10
VIT(耐久力)…10
INT(知力)…10
SPD(速力)…15
CON(スタミナ)…10
LUCK(運命力)…10
MC(魔力操作)…10
……我ながらなんとも単純なステータスだな、おい。
まだ十分に揃っていないステータス検証についてのデータを見ていても、どこかの能力をケチって痛い目にあった、という話を目にする。
そのせいか、とりあえず均等にステータスに振ってみる、というところから思考がスタートしている。
そして速力あったほうが良いな、という思いつきにも似た考えで、こうなった。
このまま行くと器用貧乏コースなのでは?
……まぁ、大丈夫だろう。
他の人でもこの様なステータスにしている人は多いはずだ。
だからこそ、研究も進むはず。
そして俺はそれを見てなるべく早く強くなるのだ!
……と意気込んで入るが、この手のゲームは基本的に『やっている人が強い』のだ。
つまりは、俺のように社会人であまりゲームの時間が取れない人間からしたら、強くなるのはそれなりに情報と効率が必要、というわけ。
「っとと、ションベン大丈夫。
腹も大丈夫。
身体検査も……大丈夫」
まぁ、このゲームで一番になりたいわけではない。
このゲームを楽しみたいのだ。
実を言うと、このゲーム『君だけの世界を探して』というキャッチコピーで売り出していた。
特に実績を持った会社でも無く、事前評価もどちらとも言えない、というもの。
リーク情報も特に出ず、出る情報は公式からの情報のみ。
その公式からの動画を見て、一目惚れしてしまったのだが。
すでに飯は食い終わり、片付けは終わっている。
ゲームが終わった後にフロは入ればいい。
時間は夜10時。
ベッドに寝転がり、準備は万端。
「いってきます」
一人暮らしなのに、言葉にした。
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