第11話[金じゃない心だ]

私は早速、ヒーロー活動費を使う事にした。


「おとーさん、私、欲しいお洋服があるんだけど…。」


「そんな物、ヒーロー活動と何ら関係ないだろう。」


ぐっ、確かに…。

戦闘は全身タイツだし、必要は無いか…。

んっ?

じゃあ、バックや財布は?

ヒーローの活動と何ら関係無いし、買って貰えないのでは?

じゃあ、何なら買って貰えるか…。

考えたが、特に欲しい物が無く、私は諦める事にした。

でも、せっかくなので活動費を使いたい。

そう思った私は父にお寿司をねだった。

すると…。


「分かった。」

「新メンバーのお祝いも兼ねて、回転寿司でも食いに行くか。」


んっ?

回転寿司?

まさか…。


「あの〜、一皿百円のじゃ無いよね?」


「百円のだが?」

「花、好きだったじゃないか。」


「えっ、いや、活動費があるならそれで…。」


私がそう言うと、父は激怒した。


「お前は何の為に戦っている。」


いや無理矢理、戦わされてんだけど?


「金金言って、それでもヒーローか。」

「ヒーローは正義の為に戦うもんだろうが、この馬鹿。」


奏恵ちゃんは金の為だけど?


「第一、お前の鼻糞は何の為にある?」

「人助けの為だろうが。」


私は遂にキレてしまう。


「うるさいなぁ、鼻糞が人助けの為かって?」

「そんなの違うに決まってんじゃん。」

「鼻糞は鼻糞だよ。」


私は父を思いっきりビンタして、基地から逃げ出した。


「ほう、あのレジェンドを一発で倒す何て、流石花さん。」


倒れる花の父親を見つめながら、奏恵はそう呟いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る