第10話[イエロー参上]

私は新しい仲間が来るのをワクワクしながら待っていた。

そして…。


「どうも、金森奏恵かねもりかなえと言います。」


奏恵ちゃんかぁ。

私は早速、ヒーローになった理由を尋ねた。

私の様に色々あったに違いない。

そう思っていたが…。


「ヒーローになった理由ですか?」

「それは勿論、お金の為ですよ。」

「あなたは違うんですか?」


ハッ?

お金の為?

ヒーローって慈善事業じゃないの?

お金の為って何?


「えっと、お金貰えるの?」


「はい、時給三百円程度ですが。」


三百円⁉︎

少なっ…。

命懸けで戦って、そんだけしか貰えないの?


「十六まで待って、バイト探した方がいいんじゃない?」


「何言ってんですか。」

「時給は、おまけみたいなもんですよ。」

「寧ろ、ヒーローの第二の給料であるヒーロー活動費が重要なんですよ。」


そう言うと奏恵ちゃんはヒーロー活動費について説明してくれた。

まず、ヒーローとして活動する際、地方から通勤するのは大変だろうという理由で、引っ越し費用や敷金礼金、家賃などといった物は全て政府が活動費として出してくれるのだとか。

他にも、希望があれば運転手付きの車や、家具家電、待機中の時間潰しの為のゲームとかもタダで手に入るとか…。


「後は、腹が減ったら戰はできぬ理論で外食費も無料になります。」

「高級寿司、食べ放題です。」


それらを聞いて、私は思った。

何これ、ヒーローって最高じゃん。

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