第9話[ヒーローとしての日常]

週一あるか無いかのペースで怪人を倒して行く。

特に強くは無いが、授業中に抜け出すのは辛い。

一番辛いのはトイレに入っている時だ。

無線から早くしろと急かされるのが、とても辛い。


「何やってるんだ。」


「手くらい洗わせてよ。」


こんな地獄のやり取りをしていると、心が段々と荒んでいく。


「今日も絶好調だったな花。」

「鼻糞一本で天下取れるんじゃないか?」


「そんな汚い天下要らない。」


ヒーローになってから、やたらと父が話しかけて来る。

ケツを犠牲に世界を救った先輩ヒーローとしてのアドバイスとかでは無く、その肩書きを使い、娘の私とコミュニケーションを取りたいのだろう。

ヒーローになる前はあまり会話もしなかったしね。


「そういや近々、新たなヒーローが基地にやって来るぞ。」


新たなヒーロー?

って事は何か問題があるとか?

足の匂いが毒だったり、脇の匂いが毒だったり、目糞が爆弾とか。

もし目糞が爆弾だったら、ユニットが組めるかも。

目糞鼻糞ってね。

私は仲間ができる事を喜んだ。

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