第4話[最悪?いや、最低の能力]

「あなたが能力に目覚めたという事は、悪の怪人も目覚めたという事、さあ、立ち上がるのよ。」

「今こそヒーローとして世界を悪から守る時。」


盛り上がっているなか悪いけど、私なんの能力も持っていないんだけど…。

母にその事を話すと、母は意味深そうに笑い、衝撃的な事実を私に突きつけた。


「能力ならあるじゃない。」

「あなたの鼻糞が…。」

「通称鼻糞ボム、略してHBよ。」


何を馬鹿な事を言ってんだか。

私は母を無視して、お友達の美香みかちゃんに電話をした。


「でね、お母さんが変なのよ。」


事の経緯を話し、美香ちゃんに笑って貰おうと思っていたのだが…。


「そっか、遂に目覚めたんだね。」


お前もか…。


「前から花ちゃんの鼻糞が怪しいと思っていたんだよ。」


いや、嘘つけ。

鼻糞が怪しいってどういう状況で怪しんだのよ。

私、美香ちゃんの前でほじった事もないのに…。


「とりあえず今からそっち行くね。」


いや、今おばあちゃん家でしょ。

別に無理して来なくても…。

そう言おうと思ったけど、一方的に電話を切られ、伝える事ができなかった。

そして、家のインターホンが鳴る。


「花ちゃん来たよ。」


「いや、速いよ。」


「居ても立ってもいられなくて、自家製ジェットを飛ばして来ちゃった。」


いや美香ちゃんの家、普通の一軒家じゃん。

自家用ジェットがある様な豪邸に住んでないじゃん。

嘘つかないでよ。

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