これから書こうと思っとる作品の設定資料置き場じゃよ

タイトル『時の魔術師カルアエラの人生録』設定資料

『設定資料』


〈魔術について〉


◆【魔術】とは、世の理を〝再現〟する神秘の技法。【術式】と呼ばれる【魔術】を発動するための回路を用いて、魔力を消費する事で世の理を〝再現〟する事ができる。

この【魔術】を用いて、〝再現〟した世の理を〝改造〟する存在が【魔術師】である。

【術式】という回路を【魔術師】は独自の解釈で手を加えて、世に存在しない自然現象や、極々低確率で発生する自然現象を起こす。

それは炎の形をした槍、電流の波濤、氷の雨など、多種多様であるが、熟達した【魔術師】であるほど、より複雑な【術式】を用いた【魔術】を使う。

分かりやすく説明すると、【術式】とはプログラムのようなもので、【魔術】というシステムの設計図なのだ。

家電などで例えるとより分かりやすいか。電子レンジは、電気というエネルギーで、ものに圧力をかけて温める事ができる機械だ。

この家電が【魔術】に該当し、電気は魔力、ものを温める仕組みが【術式】に該当する。



(ΦωΦ)【魔術】は、魔力が無ければ発動しない。それは世の絶対の理であり、変えられようのない事実だ。



◆そもそも魔力とは、元々【魔物】が体内で生成するエネルギーを指す。現代の人類の祖先は、試行錯誤の末に【魔物】を食す事で魔力を得た。言うなれば【魔物】の血肉を取り込む事で、肉体の仕組みを【魔物】に近しいものへと作り替えたのである。

これにより、人類は内臓に【魔力生成器官】を得るに至った。



(ΦωΦ)ここで、【魔術】の種類について説明していく。


(ΦωΦ)まず、現代の魔術の基盤となっている【元素式系統魔術】を元に説明していく。



◆現代の魔術の殆どは【元素式系統魔術】と呼ばれる魔術技法によるものである。

その意義は、世の理である自然現象、もしくは自然現象が起こる概念をテーマとした系統魔術。

この系統魔術は大きく二つに分ける事が出来る。

【現象的魔術】と【概念的魔術】だ。

【現象的魔術】は、【火】【水】【風】【土】……などの自然現象を【術式】とした【魔術】。

【概念的魔術】は、【燃焼】【寒冷】【空気】【枯渇】……などの自然現象の原因たる概念を【術式】とした【魔術】。

これらは、共に自然現象そのものにテーマを向けた【魔術】で、その最終目標は魔力というエネルギーの完全解明である。



(ΦωΦ)勿論、これ以外にも系統魔術は存在する。


(ΦωΦ)その系統魔術は、繁栄歴1007年に開発された系統魔術で、比較的、新しい魔術とされている。



◆それは、発動する【魔術】の現象または概念によって、魔力の色が変わるという事に着目した【色彩の翁】魔術師レーベンボルグにより開発された系統魔術。

魔力は、発動する時に用いる因子によって、その性質を変えるという考えを提唱した【色彩の翁】は、その魔力の色を利用した新たな魔術の発動形態を編み出した。

それが【色彩的魔術】。【赤】【青】【黄】【緑】……などの魔力の色から、魔力の性質を解析し、その因子を〝再現〟。その〝再現〟した因子を利用して、魔力そのものに自然現象や概念を付与し、【魔術】を発動するというものだ。

簡単に言ってしまえば、赤い色だったら触れるだけで燃焼する魔力を、青い色だったら触れたら濡れる魔力を、それぞれ全く別方向の視点から世の理を〝再現〟する。

魔力の性質変化、それと魔術の因子に密接な関係がある事を解明した魔術師レーベンボルグは、その偉業から【色彩の翁】と呼ばれ、歴史に〝名〟を残した。



(ΦωΦ)お次は現代で研究されている系統魔術の中では、最も新しく、画期的とされる系統魔術。



◆【魔術】は、その歴史的背景から〝兵器〟としての運用を望まれ、現代にも【魔術】という存在の意義は〝兵器〟としての側面が強い。

しかし、それと同時に【魔術】は学術的に研究対象として素晴らしいものでもあり、【魔術】の発展、進歩は人類圏の安全をより高めていくものと同義であるため、【魔術】は積極的に研究が進められている。

だが、【魔術】を〝兵器〟として運用するには余りにも勿体ないのではないか?と提唱した人物がいた。

繁栄歴2118年――――後に【緋色の輝石】と呼ばれる魔術師アルケミアである。

彼女は【技術都市ドルフ】出身の【ドワーフ民族】で、【魔術】を生活に役立てる事は出来ないか、常に考え研究してきた。彼女の考えに賛同する魔術師は多く、【魔術】が単なる〝兵器〟などではない事を証明したかったアルケミア達は、研究に研究を重ね、遂に新たな系統魔術【錬成的魔術】すなわち――――【錬金術】を開発したのである。

【錬金術】は、様々な因子を用いて環境を整え、鉱石や薬草などの物質を生成する事から始まる【魔術】である。魔力以外にも物質は数多く存在する。しかし、狙って物質を作り出す事は不可能に近かった。そこで、アルケミア達は【魔術】を用いて必要な物質を狙って生成する事にしたのだ。

初めて生成した物質は、紅玉ルビーという宝石。形も歪で輝きも霞んでいたが、初めて成功した物質の生成に世界は震撼したのである。

この物質の生成に関わる、【魔術】による環境の調整を基礎として研究を重ね、アルケミア達は【錬成的魔術】の確立を為した。

奇しくも、老いには勝てず次世代へと託したが―――――アルケミア達の次世代は更に進歩を重ねて、【魔術】によるエネルギー生産施設の開発に成功した。現在は【魔術師】無しでは稼働しない施設だが、いずれは【魔術】を物質に付与するなどの技術が開発された場合、【魔術】は新たな形へと変わっていく事だろう。

まとめると、【錬成的魔術】=【錬金術】は、物質を生成し、加工する【術式】であり、現代に至るまで研究が進められている未だ未完成の【魔術】なのだ。

この【錬成的魔術】=【錬金術】を初めて開発したアルケミア達は、【輝石の錬金術師】の異名で呼ばれ、その代表である魔術師アルケミアは初めて生成した紅玉ルビーに因んで【緋色の輝石】として歴史に〝名〟を残した。



(ΦωΦ)いよいよ【魔術】の核心であり、根幹―――【魔術因子】について説明していく。



◆【魔術】とは、世の理を〝再現〟する神秘の技法。元々は【魔物】の種として有していた異能を、人類の扱いやすいように開発したものであり、イスパニア大陸に定住するための手段であった。

【術式】という回路がなければ、【魔術】は単なるの魔力の塊であり。【魔力】がなければ、そもそも【魔術】は発動しない。

どれが欠けても【魔術】は成立せず、その中で最も欠けてはいけないものが【魔術因子】である。

【魔術因子】とは、人類の祖先が【魔物】を取り込み、【魔力】を得た時に発生した―――――人類だけが持つもの。

理論上、【魔術】は【術式】に【魔力】を込めれば誰でも発動できる。生活に必要な出力しかない【魔術】も存在するが、その殆どは適材適所だ。

全ての【魔術】を、全ての人類が扱える訳ではない。それは、言い換えれば〝適性〟とも呼べるものだ。

【魔術因子】は、【魔術】を発動する前提であり、それを有しているからこそ、人類は【魔術】を発動できる。

例えば、【現象的魔術】としての観点から、【火】の魔術因子をを持った魔術師がいたとする。

彼は【火】に関連した【魔術】を行使できるが、【水】に関連する【魔術】はコップ一杯ていどの水を生成する【魔術】しか行使できない。【風】に関連する【魔術】となると熱風を生み出す【魔術】、【土】に関連する【魔術】は溶岩を生成する【魔術】しか行使できない。

上記の例は大雑把な捉え方であるが、ここでは自身が持たない【魔術因子】は発動しにくく、相性が悪い【魔術因子】の【魔術】は発動すら出来ない事が多い。

繁栄歴以前は、〝属性〟と言われていた概念である。

「世の理を再現する事が【魔術】である限り、【魔術】は世の理に縛られる」とは、自然現象の法則を研究した【四元の賢者】魔術師ネルフェリアの言である。

【概念的魔術】もまた同義である。【燃焼】の【魔術因子】を持つ者は、【燃焼】に関連する【魔術】以外、発動する事は不可能に近い。

【色彩的魔術】に関しては、根本から【魔術】発動に関するアプローチが異なる為、例外であるが。

このように、どのような【魔術因子】を有しているかによって、発動できる【魔術】の手札は限られてくる。

言うなれば【魔術因子】とは【魔術】を形作る根幹のファクターであり、【魔術】の発動に関する最大の要因なのである。



(ΦωΦ)ちなみに、主人公である〝ユーリィ〟の【時】の魔術因子は、【現象的魔術】と【概念的魔術】の複合とされている。【時】の魔術因子は、魔術師の世界では最も強力な因子であると同時に、最も扱いづらい【魔術】であると言われている。


(ΦωΦ)お次は【魔術回路】について説明していく。



◆【魔術回路】とは、魔力の通り道であり、魔力を貯蓄する器官であり、魔力を出力するエンジンである。それ以上に深い意味はない。

だが、【魔術回路】は【魔術師】として重要な器官である事に変わりはない。その理由は、どれだけ【魔術回路】が優れているかによって、発動できる【魔術】のランクが決まってくるからだ。

先ほども言ったように【魔術回路】は魔力の通り道であり、魔力を貯蓄する器官であり、魔力を出力するエンジンである。これら三つの肉体的機能をまとめて【魔術回路】と呼ぶ。

【魔術回路】に該当するそれぞれを何かに例えていくと。

魔力の通り道はパイプ。魔力を貯蓄する器官はポンプ。魔力を出力するエンジンと例えたが、実際は発電機に近い。

パイプに欠陥があれば、十分な魔力を行き渡らせることは出来ず、ポンプが小さければ貯蓄できる魔力量は少なくなり、発電機でありエンジンが滞れば、【魔術】をまともに発動する事も難しくなる。

魔術因子と同様に、【魔術回路】もまた【魔術】を発動するための重要なファクターであり、【魔術】の発動に関係する最重要な要因なのである。

【魔術回路】は、その性能によって等級ランクで分けられている。

最低値から順に記載していくと【白磁】【赤銅】【黒曜】【紅玉】【金剛】【鉄】【銀】【金】【隕鉄】【星】である。

そして、これらを細かく分類し、扱える【魔術】の規模も記載していくと、以下の様になる。

【星】魔力廻廊:SS 魔力貯蓄:SS 魔力出力:SS 【魔術】=太陽レベル

【隕鉄】魔力廻廊:S 魔力貯蓄:S 魔力出力:S 【魔術】=核爆弾レベル

【金】魔力廻廊:A+ 魔力貯蓄:A+ 魔力出力:A+ 【魔術】=都市一つ壊滅させるミサイル

【銀】魔力廻廊:AorB+ 魔力貯蓄:AorB+ 魔力出力:A 【魔術】=町一つ消し飛ばすサイズの火球

【鉄】魔力廻廊:BorC 魔力貯蓄:BorC 魔力出力:BorC 【魔術】=村一つ全焼させる炎

【金剛】魔力廻廊:C 魔力貯蓄:C 魔力出力:C 【魔術】=二階建ての家を包み込めるサイズの火球

【紅玉】魔力廻廊:D 魔力貯蓄:D 魔力出力:D 【魔術】=大人一人包み込めるサイズの火球

【黒曜】魔力廻廊:E 魔力貯蓄:E 魔力出力:E 【魔術】=バスケットボールサイズの火球

【赤銅】魔力廻廊:F 魔力貯蓄:F 魔力出力:E 【魔術】=拳大サイズの炎

【白磁】魔力廻廊:G 魔力貯蓄:G 魔力出力:G 【魔術】=生活に役立つ程度の火種

以上のように、【魔術回路】の質によっては、ここまでの【魔術】の規模を発動できる。一定を越えた【魔術回路】を得た【魔術師】は、人を超越した領域へと足を踏み入れているも同然なのである。

上記の通り、【魔術回路】のランクの基準は細かくすれば、それらが基準となってくるが、【魔力廻廊】【魔力貯蓄】【魔力出力】のいずれかの内、二つが該当していれば、相応のランクの【魔術の回路】と見なされる。

【魔力回路】は、使い続ければ質は向上していくが、それ以上の【魔術回路】へと昇華させるには、外部からの干渉が必要となる。

一番手っ取り早いのは、同等級の【魔物】を食す事。しかし、【魔術回路】が昇華するまでに長期間を要する。だが、これが一番、高い効果を見込める。

もう一つの方法は、専門の調律師に【魔術回路】を調整して貰う事。短期間で確実に【魔術回路】の質が向上するため、一般的にはこちらの方法を選ぶ方が多い。



(ΦωΦ)主人公は12歳で【魔術回路】が【鉄】なのは、かなり規格外。全くいない訳ではないが、かなり珍しく稀少な存在。この時点で将来はかなり有望である。


(ΦωΦ)これで、一通りの【魔術】についての説明は終わり。他にも色々とあるけど、多すぎて大変なので、ここいらで勘弁。




〈人類圏について〉


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