タイトル『Anomaly』

『終わらない地獄で死にたい僕は生き続ける』の、約30年後の世界。

異能者を取り締まる国連直属の特務機関『黄昏』は、その名を変えて、今や異能を発現する理由となった異界の侵略者に対抗する為、国連直属の異界国防異能連合軍、通称『異国連』と形を変えて世界の秩序を保っていた。


30年以上前に起こった、とある街を襲った大規模ウイルステロ『ホワイト・ギフト・クリスマス』により、異能者になれなかった人間は死ぬか怪物となり、逆に異能者か異能者となった人間が少数ではあるが生き残った。


異能者の魂に根付く異界の存在、それを〝解放〟し人間が人間を超越した異能生命体を生み出す事を目的とする異能テロ集団『解放者』を組織した学者、Dr.レジンが起こしたテロ実験によって、異能者の存在が世の明るみに出てしまった。


しかし、以前から異能者の存在を明かす計画の進行中であった事が幸いし、異能者は表社会において非異能者と共存する世界を形成する事ができた。


これは、新しい世界が造られてから30年後の物語である。


※※※


『異界国防異能連合軍日本支部異能者育成学院』、略して異能学校と呼ばれる未だ若き異能者を育成する、日本の異能者達の学舎である。

その高等学部に入学した異能者の少年『日比谷 優護』は、入学早々、異能学校襲撃を目的とした集団異能生命体のテロ事件に巻き込まれる。

自らの異能『五行ノ鬼』によって右腕を赤い異形の腕に変異させて、戦えない異能者を救助したり、異能生命体を撃退した。だが、一人では限界もあり、異能生命体の一匹にやられそうになった所を誰かから援護され、異能生命体の排除に成功した。

優護を援護した異能者は同じく今年から高等学部に入学する異能者の少年『堺 鏡也』だった。彼の異能『鏡梟』によって具現化させた結晶の羽を弾丸のように打ち出す事で優護を援護していたのだ。

この時の出来事が切欠となって、彼らはお互いに『ユーゴ』『キョーヤ』と親友のような間柄となるのだが、それは一先ず置いておこう。

優秀な戦闘系の異能者の学生によって異能生命体から非戦闘系の異能者や戦えない学生を守る事ができ、時間を稼ぐ事ができた。

ユーゴやキョーヤのように限られた者は異能生命体を排除していたが、その大半は現役の『異国連』の異能者によって対処された。


このような出来事があっても入学はつつがなく行われた。むしろ、学院側はこの程度・・・・の事態に耐えられないようなら見込みは無いという考えだった。『異国連』としても、このくらいの事件が日常茶飯事の為、今後の事を考えれば『異国連』に入る事は諦めた方が良いという方針でもあったからだ。


こうして、高等学部の入学式襲撃事件は早々に幕引きとなったのである。


※※※


若き異能者の学校を舞台に、少年少女は様々な事件に巻き込まれ、それを解決して成長していく物語。



〈主な登場人物〉


〈主人公〉

名前:日比谷 優護(ヒビヤ・ユウゴ)

性別:男性 年齢:16歳

所属:『異界国防異能連合軍日本支部異能者育成学院』

略称『異能学校』戦闘系異能学部 第一学年


特徴:光の当たりかたで赤茶色になる黒髪、赤目の少年。鋭い瞳の整った顔立ち。平均より少し高い程度の身長で、戦闘系異能者として鍛えている為か程好く引き締まった体つきをしている。


異能:『五行ノ鬼』

異能概要:肉体の一部に異能生物を憑依させ、その一部を異能生物の肉体に置換する〝憑依〟〝使役〟〝肉体置換〟の複合系統の異能力。

〝五行〟と称するように、それぞれの属性を持った五体の異能生物を使役している。

だが、師たる『異国連』の特記戦力の一人【紅蓮の獅子】『獅童・アカギ・マクファギー』からは未完成、もしくは不完全な異能力だと言われている。


概要:5歳の時に記憶喪失の状態で保護された正体不明の孤児として拾われ、『異国連』の特記戦力の一人『獅童・アカギ・マクファギー』に引き取られ、現在まで育てられた。

『獅童』は父親であるのと同時に戦闘術の師であり、優護は彼を異能者として尊敬している。

一見、冷酷と思われがちだが内に熱いものを秘めており、人を人とも思わぬ所業を心底激怒している。

元々、単に生きる為に異能を鍛えてきたが、現在では『獅童』に影響されて人を助ける仕事をしたいと強く思うようになり、義父と同じ『異国連』の特記戦力を目指している。


入学式の襲撃事件の時に共闘した堺 鏡也とは、早くも親友とも言える関係になり、お互いに『ユーゴ』『キョーヤ』と呼び会う間柄になった。



〈主人公の友人〉

名前:堺 鏡也(サカイ・キョウヤ)

性別:男性 年齢:15歳

所属:『異界国防異能連合軍日本支部異能者育成学院』

略称『異能学校』戦闘系異能学部 第一学年


特徴:青みがかった銀色の髪と同色の瞳の少年。

狐のような糸目の整った顔立ち。平均より少し高い程度の、優護より低めの身長で、細身ながら優護ほどでは無いが引き締まった体つきをしている。


異能:『鏡梟』

異能概要:無形の実体、幽体に自由に切り替えられる、鏡のような透明な羽毛の白銀色の梟を使役する異能力。

幽体の状態のみ〝憑依〟が可能で、肉体置換などの変異は出来ないが、空気中の水分を固めて氷弾を撃つなど、水を司る力を持っている。

また〝別身体〟と呼ばれる本体と同様の身体と能力を持った分身を作り出し、〝別身体〟と会わせ鏡のように向かい合った状態なら〝別身体〟から〝本体〟、その逆に瞬間転移する事ができる(しかし著しく体力を消耗してしまう)。


概要:母親と姉は異能者だが、父親と弟は非異能者の家系で、母親と同様に戦闘系の異能者となった為、『異国連』を目指して『異能学校』に入学した。

中学まで続けていた弓道のおかげで、弓術を得意とする。異能学校では実践的な弓術を専攻して学ぼうと考えている。

近接戦闘もある程度でき、冷気を纏って弱体化を目的をした戦いが得意。

一方で優護を援護したように支援も得意であり、視野の広さから後方支援からの前線援護において真価を発揮する。


飄々としていながら情に熱く、ついつい人助けをしてしまう。優護とはその辺りの性格の気が合い、また馬があって出会って数秒で親友とも言える間柄になった。



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