好きな人
「俺、あんこの事が好きみたいなんだ!」
俺がそう言うとみつきは、まるで石化したかのように固まっていて里志は、宇宙人でも見たかのような驚き方をしている。
そんな俺に好きな人が出来たのが驚きなのか?まぁ今までそんな事なかったし驚くのは当たり前なのかな、
「それで2人はモテるしこういう時どうすればいいか教えてもらってもらいたい」
「そ、それで海はあんこちゃんとどうなりたいの?」
俺はあんことどうなりたいんだろう?今はただあんこの事に対してだけ特別な感情を
「よくわかんない」
「じゃあ海は俺たちに何を教えてもらいたいんだ?」
「その恋した時ってどうすればいいのかとか」
「なんだそれ」
「とりあえず今はあんこにだけ他の人とは違う感情を抱いてるんだ」
「はぁ〜海は変なところで鈍感だよね」
「いや、鈍感と言うかこれが初めてなんだけど.....」
里志は、呆れたように「はぁ」とまたため息をついている。
あれ?なんかみつきがさっきから全然喋んないし目が遠くの方を見つめて口がポカンと開いたままなんだけど.....
「みつき〜聞いてるか?」
「あ、う、うん聞いてる聞いてる」
なんかみつきの声が震えてるような気もするけど気のせいか
「まぁそういう事だから色々教えて欲しいんだ」
「海の友達として協力はするよ」
「わ、私も出来るだけ」
「2人ともありがとう」
2人の今日協力を得ることが出来たのは、凄くでかい!2人とも優しすぎだろ、そりゃモテるは、
「あ、私そろそろ帰るね」
みつきが部屋の壁に掛けてある時計の時間を見ると荷物をまとめて立ち上がった
「じゃあ俺も帰るわ」
「わかった、今日はありがとな」
2人を玄関まで送るため階段を降りると泉がちょうどテーブルに料理を並べているところだった
「2人とも帰るんですか?」
「うん、またね泉ちゃん」
「お邪魔しました」
泉と一緒に玄関まで2人を送り届けた後、食事が並べてあるテーブルの椅子に腰をかけると目の前にエプロンを外した泉が座った。
「いつもご飯の用意任せて悪いな」
「おにぃがやるとなんかやらかしそうで怖いから」
「う゛っ」
なんか複雑な感情だな、妹の方が出来がいいなんて.....
「で、おにぃほんとにあんこさんって人の事が好きなの?」
「·····聞いてたのかよ」
「気になって少しね」
まぁ隠すような事でもないよな?泉だって学校で告白されたって話を前してきたし、なんかいい情報を聞けるかもしれないしな
「おにぃ、まだ気づいてなかったの?」
「気づいてなかって何にだ?」
「まぁそのうち分かるよ」
ん?なんなんだ気づいてないって、まぁそのうちわかるなら急いで知る必要も無いか.....
お皿に乗ってある炒め物を箸でつまみ口に運ぶ、
「今日も美味しいな」
「ありがと!」
―――――――――――――――――――
♡
「あ〜もう!どうしてこうなるの〜」
海にまさか好きな人ができるなんて、しかもあんこちゃんなんて.....ずっと昔から好きだったのに私が学校に全然行けてなかったから全然わかんなかった、こんな事になるってわかってたらあの時拒否したのに.....でも海は昔、·····もうどうすれば
枕に顔を埋めていると
ピロリロリン♪
とスマホの電話音が部屋に鳴り響いた。電話をかけてきた相手は里志くんからだった
「もしもし」
「もしもしみつきちゃん?」
「どしたの?」
「まさか海に好きな人ができるなんて思わなかったよ」
「私もだよ、どうすればいいかな?私」
「中学から一緒の俺ですら気づいてたのに海がみつきちゃんの気持ちに気づいてなかったなんて、鈍感すぎるよな〜でもこれからも俺はみつきちゃんの手助けする予定だから」
「うん、ありがとう。でもずっと昔からアピールしてるのに無理なんだよ?」
ほんとに海は鈍感すぎる!幼稚園の頃からずっと好きで今まで散々アプローチしてたのに.....もう私じゃ無理なんじゃ、
「でもみつきちゃんは海の事好きなんでしょ?」
「·····うん、好き」
「じゃあとりあえず申し訳ないけど海にあんこちゃんに告白するのを邪魔するしかないね」
「·····そうだね」
♤
まさか海があんこちゃんの事を好きになるなんて、1番最悪な事になった。海は気づいてないだろうけど、
あんこちゃんも海の事を気になってるし、もし海があんこちゃんに告白でもしたら紛れもなくあんこちゃんは、OKを出すだろう。それだけは絶対に阻止してみせる!
「そう言えば前から気になってたんだけどみつきちゃんってアイドルなのに付き合ったりとかしても大丈夫なの?」
「ううん、アイドルの間は付き合うの禁止って言われてるからもし、告白する時になったらアイドル辞めるつもり」
「なるほど、ホントに海の事好きだね〜」
「·····」
絶対みつきちゃん顔赤くなってるな〜
アイドルにこんなに一途に好かれてるのに気づかないなんて海はどこのラブコメ主人公だよ、まぁ海は良い奴だしもっと女子にモテてもいいと思うんだけどな〜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます