幼なじみは人気者
「あ!久しぶり海」
みつきは、俺達を見つけるやいなや盛り上がっていた話を切り上げてこちらに向かって歩いてきた。まるで飼い主が旅行から帰ってきたのを見つけた犬のような反応だな、
「おはよ」
「みつきちゃんおはよう!」
「みつきちゃんおはよ、久しぶりだな〜」
「2人ともおはよう」
みつきと軽い挨拶を交わしたあと、各自自分の席に向かい、カバンから教科書やら宿題やらを取り出す、みつきと俺は偶然席が隣なため
「海」
「ん?何?」
「後で休んでた分の勉強教えて!」
と、みつきが学校を休んだあとは毎回勉強を教えてくれと手のひらを合わせて頼んでくる。さっきテレビに出てたやつが今、俺の目の前にいて、手のひらを合わせて頼み事をしてるなんて.....まぁこれもいつもの事なんだけど
「あ〜分かった」
「ありがと!」
みつきはなんか喜んでるけど、この役目別に俺じゃなくてもいいのでは?と毎回思う。俺は勉強がすごいできるって訳でもないし、俺よりも学力が高いやつなんて沢山いるのに.....まぁ幼なじみだから頼みやすいのだろう。
あ、そう言えば俺が今、あんこに抱いてる感情の事、相談してみようかな?みつきは、すごいモテるしきっと的確なアドバイスをくれるだろう、勉強教える代わりとして、放課後相談してみるか
「みつき」
「どうしたの?」
「今日って放課後暇か?」
「え、う、うん暇だけど」
「ちょっと相談に乗って欲しいことがあるから放課後家に来てくれないか?」
「え!?·····わ、わかった」
よし相談には乗ってもらえるようだ。里志にも相談に乗って貰うか、あいつも結構モテるし、
俺は身支度を済ませて里志の席に向かった。
「里志、今日暇か?」
「あぁ今日は部活もないし暇だけど」
「じゃあ今日、ちょっと相談に乗ってもらってもいいか?場所は俺の家で」
「別にいいけど、どしたんだ?」
「それは後で話すよ」
「わかった」
よし、これで里志も来れるな、·····恋愛相談するとなるとなんかちょっと恥ずかしいな、
俺は里志との話を終えて自分の席に戻ろうとしたが
「天井さん!久しぶり!」「今日もテレビ出てたね!」
「昨日のミュージックステージ見たよ!ダンスキレキレだったね!」
とみつきの周りにクラスの男子が群がっていて席に座れないんだが、さすが人気アイドル、クラスの男子全員昨日、一昨日は、みつきがいないって元気なかったくせに、急に元気になってやがる。毎日テレビつければ見れるだろうに.....
·····て言うかいい加減席に座りたいんだけど、顔には出さないけどみつきだってちょっとは嫌がってるだろ、絶対、·····あぁ!もうこれいつになったら席に座れるんだよ!
――――――――――――――――――――
「海〜帰ろ〜ぜ」
学校が終わり里志が俺の席まで歩いてきた。
「そうだな」
俺はカバンを肩にかけて、里志と一緒に教室を出ようとすると
「私も一緒に帰る〜」
みつきが少し急ぎめにプリントをカバンに入れて小走りで俺たちの方に来た。そんなに急がなくても先に行ったりしないってのに、
俺とみつきと里志の3人で一緒に帰るのはなんだか久しぶりだな、里志は剣道部の1年エースとして活躍してるし、みつきは、仕事でマネージャーの人が迎えに来るし、この2人と違って俺は帰宅部でなんにもしていない
.....なんか悲しくなってきた
「なんか久しぶりだね〜3人で帰るの」
「そうだな」
「みつきちゃんも海に相談に乗ってくれって言われたの?」
「そうだけど里志くんも?」
「そうなんだよ、海〜相談ってなんだよ」
「家に着いたら話すよ」
家までは後3分程度で着く、なんか里志とみつきが家に来るのは久しぶりだな、受験の時はよく3人で勉強したな〜、みつきは、スカウトされるまで毎日のように家に遊びに来てたし、泉が急にみつきが来なくなって寂しがってな。
家につき扉を開けると鍵が空いていた。あれ?今日、泉部活休みだったのか?
ドアを開けると髪を後ろで結び、エプロンをつけた泉が
「おにぃおかえり〜」
と出迎えてくれた。ごめん泉、今日俺だけじゃないんだよな.....まぁ大丈夫か、
「ただいま」
「お邪魔します」
「泉ちゃん久しぶり!」
「みつきお姉ちゃん久しぶり!里志さんも久しぶりです!」
「ちょっと大事な話があるからなんも持ってこなくていいぞ」
「大事な話?·····わかった」
泉は、なんか不思議そうな顔をしている。まぁそうだよな、急に大事な話があると2人を連れてきたんだからどんな話か気になるのが普通か
階段を上がり1番突き当たりにある俺の部屋に2人を居れて扉をしっかり閉めた。
「まぁ適当に座ってくれ」
そう言うと里志は、俺とベットの上に座り、みつきは、クッションを持って座っている。
「·····その話っていうのは」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます