♣︎


「おにぃ起きて〜」


ん〜誰かに呼ばれてる?体が揺さぶられてるような気もする。


「起きないとあんな事やこんな事をしちゃうよ〜」


ゔっなんか体が急に重くなった。全然体を動かせないしこれが金縛りってやつか?いや、なんで動かないのかは、分かるな


「おにぃ朝だよ〜」


耳元で囁かれる。


「·····泉、いい加減その起こし方はやめてくれないか」


「だっておにぃこの起こし方以外じゃ起きないじゃん」


「いや、でもこれは」


泉は今俺の上に覆いかぶさっている。中3の妹が高校1年の兄の上にだぞ?もうちょっとなんかないのか、さっきまで朝ごはんを作っていたのか、中学の制服の上からエプロンを着ている。


「起きたから降りて欲しいんだけど」


泉は、すんなり言うことを聞き俺の上から降りた。


「早く着替えて降りてきてね」


そう言って泉は部屋から出ていった。俺は言われた通りに制服に着替え階段を降りてリビングに行くと味噌汁のいい匂いが鼻をくすぐる


「泉今日も部活ないのか?」


「うん、あ、帰ってくるのは少し遅れる〜」


「生徒会?」


「そうそう、ほんとめんどくさい〜」


よくそんなやる気のない感じで生徒会長になろうと思ったんだ?


「お前なぁ·····あれ?もう2人とももう行った?」


昨日は珍しく早く寝たから両親が帰ってきてるかどうかが分からない、いつも通り今日も早く出ていったのか?


「おにぃこれ」


そう言ってテーブルに置いてあったチラシを渡してきた。ただのチラシだと思ったら裏にボールペンで何か書いてある


[·····仕事がひと段落したので2人でしばらく旅行に行ってきます!何かあったら天井さんのとこに行ってね、旅行に行くことは言ってあるから!連絡は毎日します。両親より]


「·····え?」


「書いてあるとおりだよ、お金が入ってる封筒も一緒にあったよ」


まじかよ…でもずっと朝早くに仕事に行って凄い疲れて帰ってきてるのは知ってたしこれくらいのご褒美は欲しいよな·····だが子供に直接言わずに旅行に行くとは.....


「とりあえずご飯食べるか」


「そうだね」


出来上がっていた朝食をテーブルの上に並べていく。今日は味噌汁と鮭、白米と言うなんとも和風な朝食だ。


「いただきます」


「いただきま〜す」


うん、やっぱパンより和食だな、味噌汁が体に染み渡る〜なんか今日はいい事ありそうだ、


朝食の鮭もあと1口まで少なくたった頃家のチャイムが鳴り響いた。


「俺が行くよ」


鮭を口に放りみ玄関へ向かい誰かと確認するとそこにはみつきが立っていた。


「お〜みつきどうしたんだ?いつもなら出てる時間だろ?」


「今日は休みなの...だから...その...い、一緒に行かない?」


みつきは顔を赤くして何やらモジモジしている。まだ少し早い気もするがいいか。


「あがってちょっと待っててくれ」


とりあえず外で待たせる訳にも行かないからみつきを玄関に入れた。


テーブルに置きっぱなしのお皿を洗面台に置いた。洗うのは帰ってきてからでいいか


「おにぃ誰だった?」


「みつきだった」


「珍しいねこんな時間に」


「そうだな、じゃあ行ってくるは」


カバンを手に持ち、みつきと一緒に家を出た

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