自己紹介
再び席に着く。
2限は、小嶋先生の初めまして、から始まった。
「私の名前は小嶋直己です。得意なことはキャンピングで担当教科は社会です。よろしく」
少し癖のありそうな前髪を掻き分けて先生は言った。少し冗長な間が空いてからあちこちで拍手が湧きあがる。
朝から感じてた緊張の糸がようやく緩んだ。私は息をついた。
けど、その数分後には、私達の自己紹介が始まった。
───
その人は、そっちから自己紹介、と言われて無駄な動きなく立ち上がった。背姿は周りの男の子よりも高く見えた。その人はちょっとだけ真ん中を向いてぼそりと、
「
あまりにぶっきらぼうで、愛想なんて微塵もなかったけど、なんだろ。よく分からないけど、自分はこの日の全部を、ずっと忘れないんだろうと思った。
♦️
──こういう時、「名前順」で構成されているあれこれを恨みたくなる。
この日も、当たり前に俺は大勢の前で自己紹介という面倒臭いことこの上ないことを一番にやらなければならなかった。
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