にゅうがく

―――

4階にある教室まで昇り、人気のまばらなそこに足を踏み入れる。―― 18番。

窓際から2番目の、最後列の席だった。


まだ真新しい空気が漂う教室で、どこを見るでもなく前を見ていた。



少し遠く感じていた8時30分は思いの外早くやってきた。


式で初めて知らされる担任に名前を呼ばれ、返事と共に起立しなければならないのは随分緊張を必要とした。もし、地元の中学でこれをやっていたらもっと恥ずかしいだろうな、と思った。


「入学式」という一大イベントを終え、私はまた3組に戻った。

次々と周りが着席していくも、教室の中に騒めきはなく、どことなく余所余所しい雰囲気だった。


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