第3話 情報屋 ~湿潤する魂を効率よく見つけるには


 たまには遠回りしてみようか。そう思い立ち、いつもと違う路地に入った。


 魂拾いに売る情報を集めるために色んな路地の色んな家を覗いて回る。

高く売れる情報は赤ん坊から小さな子供だ。その次は老人。あまり手を広げ過ぎても把握しきれないから僕はその2種類に絞ってる。


 軽くて暖かな小さな子供の魂を詰めた布団は、僕なんか買うこともできない高級品だ。その品質を左右するのは、ずっと泣いてるような子供の魂。ずっと泣いているお陰で保湿力上がり、冬でも乾燥しない上質の布団になる。


 そういった子供の魂を生産する人間は貴重だ。大抵は1人か2人しか生産できないけど、たまにいるんだ、物凄く生産力が高い人間が。

今日の遠回りは大当たりみたいだ。同じ家に3人も保湿力の高い子供がいる。ここの人間は自分の繁殖個体を湿潤させるタイプらしい。

3個体とも十分基準に達していたから、魂拾いに連絡して売り捌いた。


 最近は生産力の高い人間自体を生産することを考え始めている。

育成方法のヒントを得ようと、3個体を湿潤させた人間の観察にきたら、魂狩りされた後だった。他の業者に掻っ攫われるとは、僕もまだまだ甘いらしい。


 あーあ、もう少し君を知りたかったよ。


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