第3話 イマドキ
「ほらー、席についてー」
ガタガタン……
朝の H.R.時間。
私の第一声で、生徒達が自分の席に着席する。
「あれ?また、香崎君は遅刻?」
「さっき見掛けましたよ」
「えっ?」
「アイツの事だし、屋上辺りにいるんじゃ?」
「そう。分かった。ありがとう」
そして、H.R.後 ――――
私が教室を出ようとした時、香崎君は現れた。
ガラッ
引き戸が開く。
「こらっ!チャイムはとっくに鳴ってるわよ!」
「聞こえませんでしたぁー」
「あのねー」
「つーか、H.R. なんてつまんねーし」
「みんなの出席確認しているんだから、きちんといてくれないと困ります!」
「はいはい。以後、気を付けま~す!」
その日の放課後 ―――
「やっと、一日が終わったーー」
私は煙草を一服吸う。
「優佳ちゃーん、俺にも頂戴!」
「えっ!?」
振り返ると、そこには香崎君の姿。
「香崎君!? 駄目っ! 未成年なんだから!」
「ケチ!」
「ケチで結構!未成年に煙草を吸わせる訳にはいきませんっ!さあ~て、帰ろうかな?」
「そんでさーー」
屋上に、数人の男子生徒が来た。
グイッと、香崎君は私の手を掴む。
「きゃあっ!」
私達は隠れた。
「何?」
「しっ!」
人差し指を唇に当てる仕草を見せる香崎君。
「昨日の女、超美人でさぁ~俺、我慢出来なくて襲い掛かったら、女も満更じゃなくて、その気ありで、即ヤっちゃったわけ」
「その女、ヤバかったんじゃね?」
「ヤバイのなんのって、俺に抱き付いて離れなかった」
「だろうなぁ~お前、ダテに女とヤってねーしな~」
「そうそう」
「へぇー、今の子達も案外やるわね?」と、私。
「当たり前じゃん」と、香崎君。
「じゃあ、もし私が香崎君に求めたらヤるの?」
「えっ!?」
「先生と生徒だとしても関係ないって事?」
「いや…人それぞれじゃねーの?」
「あんたは?」
「いや…優佳ちゃん、俺はあんたに手出さない」
「えっ?色気ない?」
「いや、色気あるとかないとか…そういうのじゃなくて…俺、先生とそういう関係にはなりたくねーし」
「珍しーー」
「はあぁぁっ!?」
「高校生って大人の女性に弱いんじゃないの?」
「いや、絶対って訳じゃねーし」
「じゃあ、ロリコン?」
「えっ!?」
「実は男に興味あるとか?」
「ねーから!」
「アハハ…香崎君、ムキになる所、可愛い~♪まだまだ子供ねー」
「うるせーよ!」
「さあ帰ろう!それじゃ明日は、H.R.には出席しておいてね。でないと襲っちゃうから!」
私は帰って行く。
「先生が生徒に対して言う台詞かよ…」
次の日、香崎君は、出席した
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