yukusue

坂木啞ルカ

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 私の行く末は、それはどうなる。

私が自分で定めて良いものなのではないか。しかしするにはいささか、私では経験不足なのでは。然り。

それもまた、正解ではあるのだが、私にしては受け入れることができない。理論では理解できても心が拒む、とでも書けばわかるか。

だが、理解してもらうことはほぼ無理の無理だろうと決めつけてしまう。

それまた火にガソリンを巻き散らかしたかの様。そしてその様、まるで怒る閻魔の如し。


私はあなた方の子孫である。しかしその事象は、所有物であるという思想とは対等な関係として結ばれることはない。パピルスの上では確かにそのような関係として、踊らされていることだろう。

ただし、それはあくまでもインクが描いている幻想であり、真実ではないと受け入れ、実行しなくてはならない。


どうしようが周りからぺらぺらと言われ、苦痛を受けるのも、そしてそれをどう反映しようと自由である。だが、これまた自由を侵害してはならない。

昔、いくら虐げられてきたからといい、また、次の世代に引き継いでいこうとするのは今すぐにでも消去するべき悪の種子となり、なる。

決して介入してはならない。ただし、踏み外しそうになるならば支えてやることは、経験を豊富に蓄え、そしてまた生きながらえてしまっている身として土台にならねばならない。


 相手が潰れるくらいに押し付けるのは非常にたやすいことであるが、反面、高い

ところにいると信じ込んでいるモノに、自分から進言をすることは、地獄の

閻魔の鼻を叩き折ることに等しい罰が降り注ぐ。

理にかなわない、と思うも手を差し伸べるモノはおらず、その事象もまた、かなわなさを加速させていくのである。


自分が天高いところにいると信じ込んでいる平凡をどうすれば地上、地下までひきずり出してくることができるのか。

私刑的なことに片足を入れてしまう。しかし行使されているのも実際に

私刑であるからに、ここに温情を差し出すか没収するかは今までの待遇、そして性悪次第だろう、

そこで牙をむき出し、それ以上のことをしてくる温厚に見える輩もいないことはない。

普段は野兎の皮を身に纏い、その立ち周りを完璧なまでにこなすものも、それはもう完璧なまでに調教された白虎を心ではなく肉の檻に腹を空かせて持っている。

野兎が一瞬でもその思考を放棄し、肉体的に持ち込もうと判断した時、獰猛なそれはものの見事にお前を食い尽くす。

野兎は時に完勝、時に笑い転げながらその勝利が約束された試合を眺めているのである。

そのような想像をして見たモノは大抵の場合弱者であり、そしてまた最下層に属している。

特別な蔑称及び別称が与えられている場合もあり、呼ばれるごとにその精神を削ぎ落とし、しかし反応しなくては肉体が削り取られ、と散々になっていくのである。



 まただいぶ、脱線してしまった、

行く末など、私の地図にも書いていない。もっとも、私の地図などいまだに更新されていない箇所ばかりで、空白はキャンバスにしても有り余るほどである。

その未知の領域にいく際に、必ず否定的な意見を飛ばして、投げつけ、しかし進んで破滅してほしいと心のそこから願う陰湿な輩も存在する。

彼らは大抵その呪怨を自らに受け、失敗の連続に連続を重ねる。

その鬱憤を晴らそうと、これまた強力な恨み辛みをぶつけ、また自らに跳ね返る。


しかし稀に、相手に火の玉ストレートデットボールしてしまうこともある。

その時はその時と言えるのだろうが、削られたハートはその身よりも大きく、修復は非常に困難になってしまう。


更新されていない箇所を探し、歩み進めるものの、これまた至難が連続する。

願いこんでもいない厄介をどううまく避けるか。また、どのように未来の自分を制御するか。ただ記して暗唱できるようにするだけではないというところが、懐が大きくなったころ、発揮するらしい。


しかしそのような後継が生まれているような時代のことを完璧になど想像できるのは存在しない。

できるのならば、天にも届かんとする紙切れを積み、息を荒げて皆列に並ぶであろう。


それができないのだから、決めあぐねて決めあぐねて期限が差し迫るのだ。私だって何もしていないわけではない。


手を差し伸べてくれる人にも種類があることが、救済の注意点である。

親身になりすぎるのは、自分自身に影響を与えすぎ、そしてろくなことにならないのであるから、なるべく自分にするようにしよう。



心のスリに、持ち去られないように厳重にしていなくては。


時に、その相談者までを自分に写し込みすぎて落としてしまうこともある。

これは自分の思っている以上に事態が深刻であるために、反応されても次第に黒く染め上げて、対応するのは自分の方になってしまう。


 私の行く末は、私が。当たり前のことであるが、通じないものは多いようで、情報のアップデート、現代に合わせる最適化が済んでいない個体がたくさんそこら辺に転がっている。

そんな存在に、てこでも曲げず曲がらずの精神で無理に突き進もうとするものを真似ては行けないという、教えのみ吸収できればそれで完璧なのである。


 人から意思をスることもまた、実物同様犯罪であると思うし、強要は今よりも未来を案じた方が良いと思う。どんな目にあうのか想像くらいして見たらどうだ。


できないからその身分に成り下がり、そして甘えているのかもしれないが。


 敷かれた道などただの指針に過ぎず、泥沼を通過しても、またビル街を通過しても、森を通過しても着地点で満足できるのならば、それは何人たりとも介入してはならない聖域となあり、罰せられる。

進みたく、進め。



もう何かまた命令に背いて、まぶたを閉じ、シャットダウンをしようとしている。

どうしても、と言っても通じない。

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