外伝2 「音楽鑑賞」
「ふふふ~ん、ふふふ、ふふ~ふ~ふん」
私が居間へ行くと、珍しく母さんが鼻歌を歌っている。
「母さんが鼻歌なんて珍しいね」
私も母さんも実は音痴で、鼻歌を歌っていることはわかるがなんの曲なのかはさっぱりだ。
「ミト、すごいのよ。今カラオケ番組がやってたんだけど、米津玄師って最近流行ってる人がいるんだけど知ってる?」
「いや、誰もが知ってるから」
「そうなの? まぁ、その人の曲の歌詞を初めて見たんだけれど、素晴らしいわね。ちょっとCD欲しくなっちゃったわね」
「米津玄師の曲ならCMとかで腐る程流れてたと思うけど、なんで今更?」
「ほら、私クラスになると、音楽は曲じゃなくて詩で楽しむものなのよ詩まで知って初めて好きになるからCMで流れてるくらいじゃダメなのよね」
他に母さんの好きな曲だと、宇宙戦艦ヤマトとかあしたのジョーの曲とかで、確かにメッセージ性はめちゃくちゃ強い。
「おおっ、さすが大御所マンガ家、言うことが深いっ!! あれ、でもクイーンとかも好きじゃなかったっけ? 英語分からないでしょ?」
「え、えっと、洋楽は、……パッション?」
「なんか急に浅く聞こえるんだけど」
「お、音楽は世界を超えるのよっ!! とにかく、今度CD買ってきてね」
誤魔化すように良い事を言って、私にCD代を渡してこの話はうやむやになったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます