Φ2話人の在り方
数年経ったこの世界は並行して存在している世界を超える程の歪さをカタチにしていた。
そんな世界に生きている、存在している人々はどの様になるか考える事すらしたくない事だろう。
人間は集団で行動する生き物だ。
しかしこの世界の人間は孤立を好む。
欺き、嘆き、裏切り、救おうとせず果てには陥った者を自分の快楽への玩具として利用する始末。
それは[家族]であっても例外ではない。
自分達が愛すべき子供達さえも自分が人生を謳歌する為の道具とする者が少なからず存在するのだ。
子供達は愛される為に産まれて来た筈なのに大人達は「自分達の快楽の副産物」としか認識しておらず、愛そうとせずにモノとして扱う。
私達はなんでこんなに惨めなの?
私達はなんて醜悪な扱いを受けるの?
ある少女達は自分達の性を憾む。
出てくるのは絶望感と万物を飲み込む程の恐怖心だけだった。
「ぼくが君達の居場所になろう。君達の癒しになろう。支えになろう。」
ある少年は少女達に笑顔で言い放つ。
「「なんで貴方は私達を求めるの?」」
少女達が目の前にしゃがんで手を差し伸べている少年に、警戒しながらも核心を突くように尋ねた。
少年はこう答える。
「だってぼくは君達を──────」
聖典書「絶」第3章[少女と世界]より。
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