第9話




「いや…………

 お…じゃねー💦私は、聖女なぞでは💧

 なく、て……だな」



 他者から見たら、意味不明にキョドり

始めた吾郎。しかし、他者の大部分は💧



〔か……かわゆい💦💦〕



と、この世の奇跡と愛らしさを固めた、

小動物を愛でるような気持ちへと陥って

いた。



〔たるんどるな。今すぐ、皆〇しにして

 この場を立ち去るか?代われ、ゴロー

 すぐ、塵ひとつ遺さず消滅して   〕



 吾郎は魔女が、あまりな騎士団諸君ら

の豹変ぶりに苛立ちを隠さぬので、それ

をなだめようと、内心、奮闘した。




 それは、団長?も同じであった。

 チラチラッと、背後の団員達の動向を

チェックしていただけに、腑抜けた団員

の姿勢が赦せない。



〔ナンなんだ!?この状況は!?

 いい加減、イライラしたきた💢〕



 これまでの常識を超えた数々の事態で

募らせたイライラ😡💢が団長?を脳筋

へと変えていた。物理で状況を改善する

のもいいかもしれんとすら思い始めた。






 

「わ!?私は今の、この一触即発の状況

 をまずは、改善したい。




 私は、魔女ではない。



 転生者だ」



 吾郎は、ぶっちゃけた。

 真実を。



〔〔なんだと!?〕〕



 魔女と団長!?が、同じく驚いた。

 そ!そこは??まず、普通は隠すとこ

なんじゃないの??とも思った。



「私は、争うことも、誰も傷つけること

 も無く、この場から消えたい。貴方方

 に、迷惑はかけない。私は、この場で

 死亡したことにして、魔女である




 EL-18347

 魔女 ヴィキータ




 は、諸君らの奮闘によって、ほぼほぼ、

 犠牲もだすことなく、死亡殲滅された。



 ことにして頂きたい」



〔〔虫のいいことを…………〕〕



 皇国軍部特務監察隊による、事後調査の

徹底さを全く知らない、世間知らずな一面が、騎士団の面々と魔女に暴露された。



〔魔女?!承諾の前に、勝手に決めた名前

 言っちゃったが、ここは一先ず、我慢を

 してくれ。すまん m(_ _)m💦



 気に入らぬなら、後で変えればいいし、

 魔女が、魔女でいいと言うなら、おれは

 若干、言いにくいが、それで徹そう〕



 吾郎が、魔女に事後承諾を詫びた。



 その時、魔女の全身が、青白い燐光を、

かすかに帯びた。二人ともが、予期せぬ事

に、同時に驚いた。



 とてつもない祝福と、神々の加護が二人

に、もたらされた。



 魔女であり、なぜか、騎士団員から聖女

認定された二人で一人の背後に、畏ろしい

神気をまとった十三の幻像が突如現れる。



 騎士団全員の肝が潰れた。失禁脱糞せず

済んだ騎士団員は、後々、個々で、自分を

褒め称えた。



 神話・伝説に、ほぼほぼ準じている神々

である、天界十三神。



 その幻像に在った。



〔〔天界の神々が、総出!?嘘だろ!!

  この世界??終わりかねないか?〕〕




 この場にいる全ての者のうち、一番最後

に、吾郎が後ろを見返る。



「あ!?爺様( *>ω<*)/♬︎♬︎」



 吾郎が、つい見知った顔に挨拶をした。

 神が、この前とはずいぶんと違う、正装

なのではないかと思われる、仕立ての良い

威厳と権威をまとうような神の御衣を着て

立っていた。神の後ろに並ぶ方々を、吾郎

はみたことがなかったが、おそらく神では

なかろうか?と、吾郎はあたりを付ける。



 この場の全員が、総毛立った。

 当然のこと…………、魔女含めて。



 吾郎が、さも親しげに手を振ったのは、

間違いなく、天空の至高神ヅェウジィイ神

に他ならない。



 至高神も相貌を崩して、破顏しつつも、

手を振り返す。慈愛に満ち、孫を見守る爺

かのような、地球でいうところの菩薩顏で

ある。



 団長?は、菩薩顏の至高神の横に、佇む

珠玉の美少女が気になって仕方なかった。

婚姻と貞淑さと貞操を司る、神々の女皇。

天空の至高神ヅェウジィイの正妻なる女神

である、ユゥエラー。



〔あれが……、神話に謳われる、瑞々しき

 若春の歳の、女神 ユゥエラー〕



 一切の関心を持たぬ、無表情が、この世

のものと思えぬほどに、神々しく美しい。

そして……、何よりもおそろしい。



 どうしよう。



 人知を超えた事態に、団長?といえども

収拾を付けれぬことを、想定しなければ、

と覚悟し始めた。



『神々の御前おんまえに有る。

 五体を投げ打ち、深くひれ伏すが良い』



 世にも厳格なる、男神のお声が皆全ての

頭の中にとどろく。

 厳粛なる、規律と審判と刑罰の神である

アイアテリオス神。




 騎士団全員、光の速さで五体投地。

 それはそれは、額を、堅く乾いた荒野の

地面へと叩きつけるかの如く、見事に深く

付けた、五体投地であった。



 吾郎のみが、のほほん♬︎♬︎としていたが

意味が分かり、皆と同じように、平伏す。

爪先を地につけ、跪座にかしこまりて神前

拝跪はいきする。



 和式の拝礼であった。

 神々にとって、初めて目にする異質なる

拝礼であったが、今の吾郎の姿は、まさに

座れば牡丹のていで、幽然とした所作とその

見目麗しい身姿は、神々の心を打った。



 魔女のみが、そっぽを向いていた。

 吾郎の精神の中で。




『皆のもの、おもてをあげぃあげぃ。

 目出度きことにある。

 おもてを挙げよ』



 天空の至高神ヅェウジィイ神が、好々爺

のていを崩すことなく、皆の者に、言う。

しかし、誰一人として頭を挙げる者は……

いない。



 気さくで優しげな物言いであった。




 が…………!?

 全員……もれなく、恐ろし過ぎて神々の

姿を直視出来ぬのである。無礼者呼ばわり

されて、塩の柱になるのは御免である。



『あー…………

 おもてを挙げぬものには、加護と祝福を

 与えぬ』



 騎士団全員と吾郎は、光の速さで真正面

から、天空神へと拝謁すべく、おもてを、

挙げた。天空神の一言は、それほどの威力

を持っていた。



 騎士団全員がガチ本気ガチである。

 喉元に指先が見えそうである。

 それほどまでの代物であった。

 それほどまでの後ろ盾であるのだ。











 あと、吾郎……。オメエは、もう持ってる。





















 

























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る