第14話・閑話「メルディ・カンタベリー、メイド道」
「それじゃあ早速、仕事をしようか」
「はい!」
リアの言葉にメルディは大きな声で返事をした。
従者の仕事その1「掃除」
屋敷は広いので、掃除には時間がかかる。場所によっては汚れがこびりついている
場所もあるので汚れを見逃さないことが大切だ。
「汚れ、汚れ…」
「そんなに探さなくても良いさ。拭くだけ拭こう。高いところは俺が
やるからね」
二人で場所を分担して掃除をする。慣れていなくてもやることが出来る仕事だから
リアは最初に掃除を教えることにしたのだ。横目でリアはメルディを見た。
一生懸命、腕を動かす彼女の姿に微笑を浮かべてしまう。
従者の仕事その2「お客様対応」
アイシャも国ではそれなりに有名人そして占い師の一面も持っているため時々
客人が来ることがある。
「お、お茶をお持ちしました」
「わぁ、可愛い子ですね」
「あぁ彼女はここの新しいメイドさ。お茶を持ってきてくれたのかい?助かるよ」
ぎこちない動きでゆっくり紅茶を運ぶ。中身を零したりしないように細心の注意を
図りながら運んできた。
従者の仕事その3「料理」
ここが一番慣れが必要な仕事だろう。
「ではまず野菜を切ろう。指を切らないように気を付けてね」
「えっと、猫の手だっけ?」
「そうそう」
メルディはゆっくり野菜を切り始めた。隣ではアイビスが同じように野菜を
切っている。その速度が違う。メルディはジッとそれを見つめていた。
「わぁ…!」
「ほら、メルディちゃんも切らないと」
「あ、すみません!」
「ゆっくりで構わないからね」
メルディにそう声を掛けた。
全てが終わった後、夜になった頃。リアの部屋にメルディがやってきた。
「こっちにおいで。メルディちゃん」
メルディはパッと笑顔を見せてリアの隣に座り込んだ。だがすぐに顔は曇った。
「私、足手まといじゃないでしょうか…?だってお仕事も早く出来ないから」
「仕事が早ければ良いわけじゃない。一生懸命やっているのだから、それで
良いんだよ」
翌朝、アイビスだけがメルディとリアが共に寝ているところを見かけていた。
それは当人たちと彼だけが知っている秘密だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます