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「よろしい。 この部屋を知ったのは最近のことですね?」

「はい」と佐藤は小さな声で答えた。

「物はあまりない。 では、何のために作った部屋なのか? 本人は神経質だ。 もし、仕事を持ち込んだときにやるための部屋だ。 なぜここでやるかは神経質が関わってくる。 情報を流れさせないため。」

「うん、部屋を作った目的は分かった。 なぜ哲人は殺害されてしまったんだ?」

「宮田、焦りすぎだ。 これから話すところだ。 刺され具合からみて、一回刺さしただけだ。 あまりの怒りからだ。 佐藤は知らないことが関係している。 ゆみさんになぜひどく当たることを話そうとしていることを。哲人は日頃から佐藤に言われていたんだろう。 訳を話すようにと。 哲人なり話そうとしたが、話せなかった。 さらに怒りを生み出すかもという恐怖がやめさせたんだ。 だが、哲人は仕事をこなしているときに佐藤は入ってきたんだ。 毎回のように懇願したはずだ。」

「木村さん、もういいです。 わたくしが話します。」

 佐藤は泣きそうな顔をしながら、言う。

「哲人様はゆみ様に話すと告げられました。 先に涼子さまにつげられていたんです。 わたくしに話す前に。 怒りがこみあげてきました。 報われたではなく、なぜはやく話そうとしなかったんだと。 気づいたら、包丁を握り腹に刺していました。 できなら戻ってやり直したい瞬間です。 哲人様に何度も謝りした。 すると、許すと言ってくれました。 息苦しそうにしながらも聞いてくれっと。 山田家に傷つくだけではなく、会社にも傷つく。 従業員が困る。 だから、警察に通報するなと。 まず、死体を誰かに見つけさせること。 わたくしは出ていきました。 哲人様はまだその時は死んでいなかったのです。」


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