1-15
宮田は佐藤と涼子、春人、ゆみを哲人の部屋に集めた。
佐藤は無表情で、あとの3人はなぜ呼ばれたか分からないといった表情だ。
涼子が口を開く。
「何か分かったのでしょうか?」
「えぇ、分かりましたとも。 佐藤さん、隠し部屋を開けてもらえますか。 まぁ、オレは分かりますがあなたに開けてもらうことに意味があるのです。」
「な、何をおっしゃるのやら。」
「下手な芝居はよしてください。」
「そうですよ、佐藤さんの言うとおりです。 隠し部屋なんてないはずです。」
春人とゆみもうなずく。
宮田は木村の言うとおりだと感じた。 ここの3人は分かっていない。
木村は黙って佐藤を見るだけだ。
「木村さん、あなたはお見通しのようだ。 分かりました。 開けます。」
佐藤は左側の本棚の下段、左から2番目の本を取るとカチッと音がした。
すき間が少し大きくなる。
佐藤は両手で本棚を動かす。
エレベーターが現れた。
「さぁ、佐藤さんお先に乗ってください。」
木村は誘導する。
言われて、佐藤は先にエレベーターに入る。 後に続いて宮田も入る。
他の3人と木村もいく。
エレベーターは意外と広く、6名入れるようになっているようだ。
エレベーターは降りていく。
やがて、停まり扉は開く。
地下の部屋はコンクリートでできている。
上の階とは違い、暖かみを感じられない。
鉄製の長いテーブルと鉄パイプイスが2脚。 近くには哲人が倒れていた。
青白い顔だ。 包丁が刺されている。
「さぁ、話そうじゃないですか。」
木村はテーブルの前に佐藤と3人を立たせる。 宮田は向かいに立つ。
「涼子さん、あなたの言う死体を見つけました。」
「なぜ分かったのですか?」
木村は宮田に話したことをそのまま伝えた。
「分かりました。 ですが、なぜ殺したのか分からないのではないでしょうか?」
「いえ、分かっています。 佐藤さんは話しにくいのでオレが話しましょう。 いいですね?」
佐藤は小さくうなずく。
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