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「次は春人だ。 ゆみと1歳違い。 身長は175cmで細身、大胆な性格だろう。 動画を抵抗なく見せていた。」

「いや、疑いをはらすために見せた可能性はあるだろう。」

「では、部屋を一緒に見たときはどうだ? 所々散らかっていた。 あれが疑いをはらすためにつながるだろうか。 ないだろう。 人とは打ち解けやすく、抜けた部分がある。 人間関係は良好だ。 ファッションにこだわりはなし。 クローゼットの中はスーツ、単色の服しか着ていないだ。 新しく購入した様子はない。 血痕も見つからなかった。 よって、なしだろう。」

「次はゆみだろう。 1番疑うべき人物じゃないか。」

 木村はうなずいて、話してみろと目でうたえる。 。

「いいだろう。 動機は憎しみだ。 本人も言っていたじゃないか。度胸もあり、誘い出す口実もできるじゃないか。 仲直りをしたいと。 誘い込まれた哲人を殺す。 後は部屋に戻る。 これだけだ。」

 木村は笑う。

「いや、悪い。 動機としては悪くない。 あの時、言っていただろう。 内心喜んだ。 あれは殺したではなく、殺されていたんだ。 憎き人がな。」

 宮田はうなずく。 木村の言うとおりだ。 たしかに殺害した人物が言う言葉ではない。

「まぁ、いい。 続けよう。 ゆみは170cmスタイルもよく、母親譲りの美人だ。 宮田も言っていたな。 度胸はある。 正解だ。 気は強く、したたかさがある。 恋人に困ったことはないだろう。 部屋を見たとき、血痕はなかった。 神経質な部分は父親から受け継いだようだ。 家具の位置、シーツのキレイ具合からうかがえる。 ゆみは容疑者ではない。」

「まさか!? あの佐藤を疑うじゃないだろうな。 長年つかえてきたんだぞ。」

「そうだよ。」と木村はニヤリと笑う。

 宮田は頭をフル回転させるが、思い浮かばない。 なぜ、やる必要があるのか。

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