1-6
「3人ともお乗りください。 わたくしが運転します。」
そう言われて、3人は車に乗る。
助手席に涼子。 後部座席は宮田と木村が成り行きで座る。
道中、涼子はキンブル財閥がどうできたかを話した。 木村は興味がない顔で窓の空をながめる。
要約すると、銀行だけだった時代がキンブル財閥にはあったという。
哲人の祖父が全国に展開していたが、哲人はガソリンスタンドをやることを提案したようだ。 祖父に任せた哲人はガソリンスタンドを赤字を出すことなく経営していく。
祖父の血を受け継いで経営の才能はあるようだ。 後にスーパーを展開していくようになる。
ビジネスマンとしては超一流だ。
車に乗り1時間くらい経過したころだろうか。 車は停まる。
門は自動でひらく。
車庫に車を停めた。 横にはリムジンとベンツが並んでいた。
車庫から出ると執事の佐藤は鍵を閉めた。
宮田はここに死体を隠すのは無理そうだと感じた。 血痕は残っておらず、本館とは走って1分くらいの距離だ。
死体を運ぶとなるとさらに時間がかかる上に誰かに目撃される。
そんなリスクをおかしてまで持ってこないだろう。
宮田と木村は案内されて本館に入った。
床と壁、天井まで木で出来ている。
ホコリひとつすら落ちていない。 佐藤の腕が相当いいんだろう。
長方形の6人が食事をするのに適したテーブルに座る。
木村はイスに座り、佐藤にティーを頼みくつろいでいる。 宮田は落ちつかずにキョロキョロした。
「何をしているんだ?」 宮田は小声で話す。
「何をしているって、ティーを楽しんでいるんだよ。 宮田、落ちつくんだ。 ここのティーは香りがよく、味わい深いものだ。 いつも飲むよりな。 そうだ、慣れない環境にイラついているのはわかるが、周りをじっくりみるんだ。」
宮田は木村が人の家でゆっくりと自分の家のようにくつろげるのか分からない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます