1-7

宮田はイライラしていた。 じっくりと座っている席から入る情報はかぎられている。

 涼子は木村が動くのをいつかとチラチラ見ている。 佐藤は涼子のななめ後ろに立ち、待っているのだ。

 天井はシャンデリアが2つ。 窓は3つ、カーテンは開けており陽が射している。

 宮田の正面の窓2つからは庭と門がみえる。 

 テーブルは木でできていて、テーブルクロスは白色。 黄ばみはみられない。

 木村はティーは飲みほして席を立つ。

「佐藤さん、あなたはここだけを掃除しているようだ。」

「そうです。 わたくしが我慢できずに涼子様に申し上げたのです。 ここだけでもせめて掃除をさせてほしいっと。」

「事実を言ってるようだ。 捜査現場が少しはやりやすそうだ。 涼子さん、哲人さんの部屋を調べさせてほしい。」

「いいですよ。 ご案内します。」

 そう言われて木村と宮田は2階の部屋に連れられた。 部屋の前にとまり、涼子は口を開く。

「私はさっきほどの部屋で待ちますので何かあれば声をかけてください。」

 木村は無言で扉をひらく。 開けたり閉めたりしている。

 音にガタがきているような音はしない。

 涼子はその様子をみて階段を下りていく。

 木村は扉を閉める。

 話のとおり、床に血が残っている。 2、3日で血は固まっている。

 部屋の中は窓が門側に1つとななめ向かいにもう1つ。 本棚は四段になっており2つを隙間なくうめている。

 本棚からほんの数十cm離れてテーブルとイスがセットで置かれている。

 テーブルにはパソコンとプリンターがあるのだ。

 宮田はパソコンを起動させる。 パスワードはヤマダとローマ字で打つ。

 パスワードは合っていて、ホーム画面になる。 宮田は考えた。

 いくらなんでも無用心すぎる。 

 会社のトップがパソコンを開けられたらデータを盗まれて悪用されるはずだ。

 だが、ファイルを開くうちに分かった。

 会社につながるようなデータがない。

 

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