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 宮田はフォローをしなかった。 もうめんどくかった。 もう依頼人も理解していると感じたのだ。

「そうです。私は何を言われても構いませんで今からでも私の家で捜査をしてほしいのです。」

「分かりましたよ。 では、行きましょう。 いいだろう? 宮田!」

 宮田は急にふられたので答えに詰まった。

「あぁ、いこうか。」

「ポッキーとコアラのマーチを忘れるなよ。」

「分かってよ」

 宮田はお菓子だけを入れている棚から取り出して、カバンに入れた。 それぞれ2つだ。

 宮田と木村は涼子についていく。

 涼子は黒色のスイフトの前で止まった。

 宮田は驚く。 お金持ちというからベンツなんかの高級車で来ると思っていた。

 こんな庶民的な車に乗っているとは想像していなかったのだ。

「あら、宮田さんは高級車を想像していたのかしら?」

 宮田はどきっとした。 内心が見透かしている。

 木村は頭をかく。

「バカなのか? こんなところでベンツなんてで来てみろ。 すぐに注目が集まる。 自分たちはお金持ちですとアピールをするもんだろう。 内密に来ているんだ。」

「そうですよ、木村さん」とくすっと笑う。

 涼子は窓を軽く叩く。

 車のドアを開けて、男性が出てくる。

 木村より5cmくらい高く。 肩幅も広い。 ボディーガードのようにもみえる。

 この人が涼子が言っていた執事の佐藤のようだ。

「涼子様、承諾をされたのですね?」

「えぇ」

「お二人とも今回はよろしくお願いします。」

 佐藤は深々とお辞儀をした。

 宮田は木村の言うこの街の人とは違う雰囲気というのが分かった。

 立ちふるまいが上品だ。 この街にはいない人たちだ。

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