第6話 誓い
その日の夜は雨が降っていた。優希のお通夜だ。クラス全員が制服で参加しているが優希の両親は私を見ると是非最後に顔を見ていって欲しいと言われお焼香の後に棺桶から顔を覗いた。綺麗な顔だった。あの夜助けられなかった命だと思うと胸が締め付けられるような思いだった。
そしてお通夜が終わったあと私は優希が殺された場所に行ってみた。そこには花が手向けられていたほかには何も無かった。「やっぱり何も残ってないんだ。」と私は一人呟いて拳をギュッと握った。
私はその場所で神に殺された優希を頭の中にうかべた。
「正しいことはなにをおいても曲げれるものじゃないのよ!」
そう言っていた優希を私は覚えてる。
それは神の理不尽に親友を殺された私が覚えておかなければいけない言葉だった。
神の理不尽に人を巻き込まないために私は神と戦おう思った。
それが原因で自分が苦しもうと例え死ぬような思いをしても。
それがあの時優希を助けられなかった自分へのけじめ、そして同じような人を出さないための決意。
「神が理不尽なら抗おう。それが私がここに誓う誓い。優希。私は理不尽に亡くなっていく命を何者にも挫けることなく守りきる。」
雨は上がり晴れた空からは月がこちらを見守っているようだった。
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