第3話 とある日
数年後…
鏡の前に立つ黒い服に身を包んだ見目麗しい青年
「クロエ・アーテル・エーデルシュタイン様準備が整いましたらお知らせください」
長い、自分の名前なのにワシでは絶対に言えない気がする…何語?
「お洋服はこちらです」
……
服を着替える時に毎回思う事は
尖った耳……
鋭い牙と角が人では無いと物語っていること
「うーむ、この…この角が邪魔じゃな」
頭から生えた少し大きめな角…色んな所に引っかかる、今着ている服にも
折りたい……が、痛いのは嫌じゃのう
もう一度鏡をみる
黒髪の短髪、右が赤、左が金のおっどあい
顔が若くて髪がフサフサなのに、ものすごく感動したのも懐かしいな
未だに服と手首にまとわりついてくる この紫色の炎には慣れんし……何これ
振っても吹いても水かけても消えないし…
「はあ…」
「兄者?どうされたんです?」
兄者、そう呼ぶのはここでの弟
う、ゔ…ヴェルデ……
「どうした?ヴェルデ」
英語はなぁ口では言えるが頭だと名前も何も言えないんじゃよ
「次期当主の兄者に何かあっては困りますので!」
そう笑う薄緑色の短髪に小さめの角が生えた青年
「そうか…」
次男ってこんなに長男に対して明るかったかの?
ワシの時代は跡取りだのなんだのがあった気がするんじゃがなぁ
「うーん、ヴェルデはワシのこと好きか?」
「大好きです!!」
返事が早いなぁ
……弟がいたらこんな感じじゃったのかなぁ
ぽーーー
「はっ!兄者がまた別の世界に意識を飛ばしておられる!!また兵隊さんのお話をして頂けるのでしょうか!」
「ふあっ、危ない危ない…そう言えば、父上は?」
「もうすぐ、帰ってくるそうです!」
……少し静かになる部屋
「母上が亡くなって今日で7年…」
いつになってもこういう時期はしんみりする
「魔族と言えども生き物…病には勝てませんね……あんなに元気だったのに…こんな事になるとは思いませんでした…」
ワシも2度も母を亡くすとは思わんかった…
どんよりとした空気を裂くような慌てた声
「大変です!大変ですーーーー!!」
「どうしたんじゃ!?」
「魔王様が……っ!勇者に討たれました!!」
……
「……え」
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