『かけまくもかしこき魂迷譚』作品情報

著者名

 長宗我部芳親




タイトル

 かけまくもかしこき魂迷譚

https://kakuyomu.jp/works/16818093084519004919


 「声に出すのも畏れ多い」の古語をタイトルに使ったのは面白いですね。

 これだけで日本の神様に関係するのかなと想像力が働きます。

 その知識がなくても、キャッチコピーで拾っているので問題ありません。




キャッチコピー

 失恋からの神社ののじゃ神さんに助けを求められる話


 「失恋からの神社ののじゃ神さんに」だとちょっと意味がとりづらいですね。

 たとえば「失恋の帰り道、神社ののじゃ神さんに助けを求められる話」とすれば状況がわかりやすくなります。

 また「失恋から、神社ののじゃ神さんに助けを求められる話」とするだけでも読みやすいですね。「失恋からの」と「の」を付けてしまうとちょっと損をする形です。

 これは好みが分かれますが、「助けを求められた話」と過去形にすると、「そのあとどうなるんだろう」と気になってクリックしやすくなりますよ。




あらすじ

>「古代よりこの地に伝わる巨人の伝説ーー。」

⇒ 「古代」は人間の文明の始まりのあたりになります。神様が活躍していたとすれば「神代かみよ」になります。ただ、「巨人の伝説」が伝わってきたのが「古代から」であれば原文ママでかまいません。

 さらに考えてみると「いにしえよりこの地に伝わりし巨人の伝説──。」と書くのがいちばん読み手に刺さると思います。昔の話なのだから言葉も昔ふうに。「伝わる」ではなく古風な「伝わりし」のほうが親和性が高いですね。

 また「太古よりこの地に伝わりし巨人の伝説──」でもよいですね。


>「かつて黄泉の国に繋がる大穴があり、そこからは多くの魑魅魍魎が溢れ出した。」

⇒どこに大穴があったのかがわからないので、想像がちょっとしづらいですね。あと「そこからは」「多くの」は無くても通じます。

「かつて黄泉の国と繋がる大穴がこの地にあり、魑魅魍魎が溢れ出ていた。」

 「溢れ出ていた」という言葉だけで「あふれるほどの量の魑魅魍魎」が連想できます。


>「それを防ぐため、神々によって送られたのが巨人。巨人はその大きな体を用いて穴を塞いだのが今から数千年前の出来事。」

⇒連続の「体言止め」はいささか単調に見えます。とくに「〜巨人。巨人は〜」と「体言止め」に使った体言が連続していると拙さが見え隠れします。二文に分ける必然性が薄いのと、もう少しシンプルにしたほうがイメージしやすいので、手を加えてみます。

「神々によって巨人が送られ、その大きな体で穴を塞いだのが今から数千年前の出来事。」

 と書くだけでも「それを防ぐため」がなくても巨人の役割は伝わります。


>そして現在。

⇒ここはそのままで。


>「その巨人の心臓を司る神であるククルはその信仰と共に巨人が息絶え、魑魅魍魎が溢れることを危惧し、失念し死ぬ運命にあった少年に助けを求めるーーー。」

⇒ここまで見てきて気になったのは指示代名詞「こそあど」が多いな、ということでした。ここの「その巨人の」の「その」は要りません。

 あとダッシュ(─)は2個で1セットですので必ず「──」と使います。長音ではなく「ダッシュ」で変換したものを使ってください。

 「失念し」はキャッチコピーから「失恋して」の誤字かなと。

「巨人の心臓を司る神であるククルは、その信仰と共に巨人が息絶えて魑魅魍魎が溢れ出ることを危惧し、失恋して死ぬ運命にあった少年に助けを求める──。」


 以上を順番に並べてみます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 古よりこの地に伝わりし巨人の伝説──。

 かつて黄泉の国と繋がる大穴がこの地にあり、魑魅魍魎が溢れ出ていた。神々によって巨人が送られ、その大きな体で穴を塞いだのが今から数千年前の出来事。


 そして現在。


 巨人の心臓を司る神であるククルは、その信仰と共に巨人が息絶えて魑魅魍魎が溢れ出ることを危惧し、失恋して死ぬ運命にあった少年に助けを求める──。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 構成は変えていませんが、それでも読みやすさは出ていると思います。




 続けて「神名の由来とされている学説」の添削に入ります。




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