十和里山伝説「紡ぎの時計」第四十八幕 庵主との出会い
十和里山伝説「紡ぎの時計」
作者:神崎 小太郎
庵主との出会い
※誤字脱字・構文など
> 住職は天寿院と自分の名前を教えてくれ、俺たちの先頭を歩いてゆく。
⇒すでに会話文で「天寿院」と名乗っているので、ここでもう一度書く必要はありません。
> 彼女の才能には呆気にとられながら、巫女さんの美しさにも見惚れていた。
⇒ここ「彼女の才能に呆気にとられながら」か「彼女の才能には呆気にとられたものの」のいずれかかなと。
ここで「才能に」「呆気に」で助詞「に」の重複がありますが、そもそも「呆気にとられる」が慣用句なので「呆気に」の助詞「に」は数に含まれません。国語のちょっとした文法ですね。
>本当に正直者は損をするという諺どおりだった。
⇒「諺どおりだ。」ですね。ここを過去形にすると意味合いが変わってきます。
> 木洩れ日が俺たちふたりを照らす気持ちとなり、彼女や花も恥じらいながら俺を見ているように思えると嬉しくなっていた。
⇒「気持ちとなり」がちょっと変かなと。あと「嬉しい」は感情語なので置き換えたほうがよいのですが、ここでは原文でもそれほどおかしくはないかなと。変えるなら次のような文になります。
>「木洩れ日が俺たち二人を照らし、彼女やカタクリの花も、恥じらいながら俺を見ているように思えると心が弾んだ。」
>でも、嫌な気持ちにはならずに、嬉しさまで感じていた。
⇒「嬉しい」は感情語なので、置き換えるとしたら「心地よさまで感じていた。」かなと思います。
※寸評
まあここまで読んでくれば天寿院様の正体には薄々気づいているわけですが。
勇希くんがどこまで憶えているかですよね。
この寺院での出会いは勇希と薫になにを残すのか。
続けて読みますね。
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