十和里山伝説「紡ぎの時計」第三十六幕 命はかなし
十和里山伝説「紡ぎの時計」
作者:神崎 小太郎
第三十六幕 命はかなし
※誤字脱字・構文など
> 落ち着かないのか、何度も窓から空を仰ぎ見ていた。
⇒この一文だと、勇希くんが誰かを見ている描写になっています。
たとえば、
> 気が気でないせいか、何度も窓から空を仰ぎ見ていた。
のように書くと「自分ごと」だと表現できます。
>小百合さんがいなくなったと知り、その男の顔にも心中穏やかでいられない様子がありありと感じられた。
⇒「男の」は要らないかなと。ここまで野口さんを描写していましたから、ここも当然野口さんのことだろうとわかるからです。
>小百合さんがいなくなったと知り、その顔にも心中穏やかでいられない様子がありありと感じられた。
> 夜も遅くなり、他の入院患者の回診を終えると、彼は同じ立場で肩の力が抜けたのか、自分の意外な話を聞かせてくれた。
⇒「自身の意外な話を聞かせてくれた。」か単に「意外な話を聞かせてくれた。」でかまいません。「自分」にしてしまうと勇希くんの話になってしまいますからね。
> 仕事で遠野の里を訪ねた際に、最初、小百合さんを見かけたという。
⇒「初めて小百合さんを見かけたという。」かなと。
最初だとちょっとニュアンスが変わってしまいます。
>百合子さんの墓石に、「命はかなし」と刻んだのも野口さんの想いであるという。
⇒「由紀子さんの墓石に、」ですね。人物名なので気をつけましょう。
> 彼がひとりの女性を愛するのに、こんなにも多くの条件が重なるのだろうか。複雑な境地に陥って、彼の感慨深げな表情もわかる気がした。
⇒頭の「彼が」は要りません。なくてもわかりますし、次文で「彼の感慨深げな表情も」において再度説明されるからです。
>俺自身が彼らだけを犠牲にした贖罪の罪に懺悔し、罰を受けなくてはいけないだろう。
⇒「罪」の重複です。「贖罪の念に懺悔し、」「贖罪のために懺悔し、」あたりですね。
※寸評
勇希くんの切々たる想いが文章から浮かんできますね。
文章のトーンもしっかりとしていて、公募向きという作風に仕上がっています。
これ「カクヨムコン」などに出すと、現代ドラマになってラブコメ混じりの中をかちぬかないといけないのでかなり不利になります。
公募なら、書き出しの第一文をしっかりすれば評価されやすいので、とくに『君の膵臓をたべたい』あたりの二匹目のドジョウも狙えるかもしれません。
添削が終わってから総評もしますので、その際はまた第一話からURLをお借りすることになるかもしれません。
ある程度記憶しているはずなのですが、現在記憶の混濁状態で、記憶がなくなっていたり噛み合っていなかったりしているので、もし総評で全体を読んでの詳しい感想をお聞きになりたいのであれば、その際はURLをお願いすることになりますのでご了承くださいませ。
本日の添削はここまでに致します。
推敲お疲れ様でした。
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