十和里山伝説「紡ぎの時計」第三十一幕 不思議な縁

十和里山伝説「紡ぎの時計」

作者:神崎 小太郎

第三十一幕 不思議な縁





※誤字脱字・構文など

>窓のカーテンを開けて外を覗くと、昨夜あれだけ雪が降ったために、空気は棲んでいた。

⇒「空気は澄んでいた。」ですね。


> 当初、薫を野口病院から、東京にある白血病の専門医大に移すことを思い浮かんだ。

⇒「専門医大に移すことを思い浮かべた。」「専門医大に移すことが思い浮かんだ。」のいずれかですね。


>けれど、これも何かの縁、しばらく様子をみた方が賢明だと思っていた。

⇒ここも勇希くんの心の声(一人称視点)なのに「と思っていた。」と語ってしまう。

 ここは「賢明だろう。」のように憶測を文末で表現すればよいですね。


> 暗闇に覆われる中、一筋の光を見つけたように、初めて薫と会ったひとときを思い出してゆく。

⇒「思い出してゆく。」ですが、「思い出す」がこれから始まる意なので、「てゆく」は蛇足ですね。「初めて薫と会ったひとときを思い出す。」が平準。「思い出した。」でもいいのですが、続く文章は「このところ、何度もこうした夢を見ていた。」とあるので、時制を考えると「思い出す。」とするのがベストですね。もちろん「思い出した。」でも悪くありません。このあたりは好みで選んでだいじょうぶです。


>彼女は自分が白血病だと知っていたのだろうか?それでも薫は明るく生きていた。

⇒いちおう現在の表記では、感嘆符(!)や疑問符(?)の後は、カッコ閉じでなく普通の文章が続く場合は全角スペースをひとつ入れることになっています。こういった文章の表記ルールは守らないと落とされるのが文学界なので、しっかりルールどおりに行ないましょう。

>彼女は自分が白血病だと知っていたのだろうか? それでも薫は明るく生きていた。


> 小百合さんはなぜ死を選んだのだろう。母親の墓石に「命はかなし」と刻まれている理由も知りたい。

⇒「由紀子さんはなぜ死を選んだのだろう。」ですね。小百合さんと由紀子さんの名前がまぜこぜになっているので、しっかりとキャラシートで確認しましょう。思い込みだとどうしても名前がブレてしまいます。





※寸評

 読み手の推測する流れとしては、優奈ちゃんのときのように「命をつむぐ時計」に賭けてみるか、骨髄ドナーが見つかって移植して助かるかが想定されますよね。

 「命をつむぐ時計」にすべてを賭けるとファンタジー色が強いような気もしますから、それで時間を稼いで「骨髄移植」に成功するのがリアリティーを交えた場合は有効かなとも思えますね。

 このあたりの展開のさせ方ひとつで、良い作品にも悪い作品にもなります。

 読み手が欲しているものを嗅ぎ当てて、物語世界へとより深く没入させるようなたくらみがあるとよいですね。

 どういう落着となるのか。

 全体が終わったときに「読み手が満足する」のが、小説の醍醐味ですからね。




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