あれから、12年後 1

陰陽師の呪縛 〜男を必ず落とす超モテ女の秘密〜

作者 雨 杜和

第三部 現代と平安編「怨霊との戦い」

第一章 現代編「法光と光宏」

あれから、12年後 1

https://kakuyomu.jp/works/16816452219750143893/episodes/16817330649727054399




※誤字脱字・構文など

> 離婚届けを役所に提出するとき、『専業主婦、専業主婦、専業主婦……、が欲しい』と連呼したら、受付事務の女性が目を丸くしていた。

⇒「離婚届」ですね。「送り字をとらない」パターンです。「話」「類」のように活用を送らず漢字でとめます。


> 彼は常にわたしに違和感を感じていると言った。

⇒「違和感を感じている」は「感」の字の重複です。「違和感」は「違和感を覚える」「違和感を抱く」「違和感を持つ」「違和感がある」などですね。


> マロンは消えたとき、USBメモリを残した。そこには、なぜ消えたのかという理由などいっさい記述がなく。ただ、佐々波とのデートでするスタイルとか、言ってはいけないNGワードとか、言うべき言葉とかが書いてあった。

⇒まず一読性が高い文章に改めてみます。これが正解ではありません。

> マロンはUSBメモリを残して消えた。理由などいっさいなく、ただ、佐々波とのデートでするスタイルとか、言ってはいけないNGワードとか、言うべき言葉とかが書いてあった。

⇒で、原文に戻るのですが、これはこれで文体としては成立しています。頭に浮かんだ順に書いているように映るからです。一読性を高めると、書いてあることはすんなり理解できるのですが、語り手の息遣いが薄れてしまいます。

 一読性を高めたうえで語り手の息遣いを残すには、作者様が頭をひねらないと難しいですね。主人公がどういう思考を進める人なのかは、やはり作者様以上に理解している方はいませんからね。

 ですので、多少言い回しに納得がいかなかったら、一読性の高い文章の一部を参考にしていただけたらと存じます。


(1)> あの日、何も言わずにいなくなったマロン。

(2)> わたしは途方にくれ、それから、あてもなく探しまわったが発見することはできなかった。

(3)>

(4)> オンラインゲーム『ニーズヘッドサーガ:歴史転生』内に入り、いつものギルドにも行ってみた。『ミツバチK』だけが、わたしと同じように途方にくれていた。

⇒ちょっと勘違いしやすいのですが、オンラインゲームにログインしたのは12年前ですよね?

 (3)の空行があるせいで、時間が隔たって見えるのです。だから12年後の今にオンラインゲームへログインしたような勘違いを生みやすい。

 解決策は単純で、(3)をとります。

 そうするだけで、(1)「 あの日、」と連続した時間だと誰もが気づきます。


> 彼女は大学も退学して、痕跡も残さずネットからも実生活からも消え去ってしまった。

⇒「消え去ってしまった。」だと「マロンの本意ではないが消え去った」意に読めます。

 あくまでもマロンの意志でということなら「実生活からも消え去った。」とするだけでかまいません。モチが納得いかないのであれば「実生活からも消えてしまった。」ですね。両方取りしようとするとかえって理解しづらい文になります。




※寸評

 第三部の幕開けとして、12年後から再スタート。

 その間に下鴨モチは佐々波光宏と結婚し、そして別れた。

 マロンを探したが、痕跡すらなかった。

 手に入れたすべてが離れていったモチは、昔の親友・マロンへと思いを馳せる。

 なかなか情緒に満ちた再スタートですね。

 そして12年ののち、なにかが起こるからこそここから再スタートなのだろうと、読み手の期待感を高めてくれます。

 上記したオンラインゲームのログインの時期を適切にできれば、第三部第一話としては申し分ないですね。



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