エピローグ

彷徨える王【心理サスペンス:横溝正史ミステリ&ホラー大賞応募作品】

作者 雨 杜和orアメたぬき


エピローグ

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https://kakuyomu.jp/works/16816927863278356267/episodes/16817139557102537133



構文と誤字脱字など

 さらっと読みましたが、とくにミスは見当たりませんでした。

 おそらく「梅雨」と「雨」で「重複かな」と思われたかもしれませんね。

 当て字の場合は基本的に重複とは見ません。「つゆ」は当て字なので、「雨」を書いても問題ないのです。




※構成と展開について

 「明るい未来への希望」

 エピローグで端的に示されましたね。


 ジオンが自ら背負った十字架を、櫻子は受け入れることで想いを昇華した。

 五月端と結婚したのも、ジオンの宿命を受け入れたから。

 子供っぽい感性で突っ走るのはやめ、現実を向いて生きていく。

 そんな日常でジオンは「家族」なのだと改めて思い至る。

 綺麗な引き際でしたね。


 構成も展開も、書く前に構成をしっかりしてくださいとお願い致しましたが、そのとおり、破綻なく、順番の違いもなく、きっちり長編にまとめられています。

 これがアメ様本来の小説なんだと思います。




※寸評

 冒険の旅となったアメリカは、とても危険に満ちていた。

 それはアメリカやデトロイトだからではなく、常に命を狙われていたためだった。

 櫻子のジオンへの思いの変転がこの作品のテーマになっていると思います。

 だからこそのエピローグに仕上がっています。

 憧れ、思慕し、いつしかそれ以上の感情を抱くまでに至った。

 それが失われることなく昇華され、エピローグでの再会で現状の確認をして終わる。

 日本では頭脳で勝負していて、デトロイトでは直感でピンチに陥った。

 そして最終バトルで冷静に頭脳を働かせて難局を突破した。

 そうして勝ち得た居場所は、嬉しくもあり儚くもあった。 

 それでもふたりは「家族」であって、いつか帰るべき家がそこに残っている。

 とても良い作品だと思いますよ。

 言葉選びがすべて的確だったとはいきませんが、それでも読み手を引き込むだけの描写力を発揮しています。このあたり、バランスが難しいんです。

 語彙が豊富で同じ表現を極力避ける方と、語彙は普通で的確に描写していく方。

 このふたつのタイプがあって、アメ様は的確に描写していくタイプです。

 純粋に「推理小説」かと問われると難しいのですが、「冒険小説」のようなワクワク・ハラハラ・ドキドキの詰まった作品に仕上がっています。

 間違いなく「サスペンス」は詰まっています。

 ジオンを謎のミステリアスな人物にして、「ミステリー」色を強くしたようなイメージですかね。

 選考さんがどこまで本作の魅力を汲み取ってくれるかどうか。

 このあたりが大賞と各賞を分けると思います。

 あとは他の応募者との鍔迫り合いになりますね。

 もし勝ち抜きたいのであれば、縦書きフォーマットでしっかり読ませる文体になっているかも問われると思います。

 あくまでも「カクヨムからも応募できる」であって、カクヨムスタイルを受け入れるとは書いていませんからね。

 であれば、他の応募者並みの体裁を整えないと争うところまでいかない可能性もあります。

 アメ様自身、すでに縦書きフォーマットへの更新をしてるとのことでしたので、このあたりはお任せ致します。

 このたびは素敵な作品を読む機会を与えてくださり、誠にありがとうございました。

 本作が大賞を獲ることを楽しみにしております。



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