01

臨海22世紀

作者 長宗我部 芳親


海中退治譚編

01



構文と誤字脱字など

> そのうちの海底都市の一つ、リトルブルーオーシャンスクエアはスノードームのように街から外の景色が常に見えるよう設計されており、ドーム内は青と白の光で満ちている。飲食店からブティックなどあらゆるものが揃っていて、別の都市に移る必要がない以上、なかにはこのこの街で一生を終える人さえもいる。

⇒「そのうちの」は要らないですね。「海底都市の一つ、」から始めても「の一つ」があるので「そのうちの」「それらの」といった指示代名詞は必要ありません。

 「なかにはこのこの街で一生を終える人さえある」は「この」がひとつ多いですね。



> 同じガイノイドであるミオンに比べて小柄で、やや幼い印象を受ける。

⇒ここで主人公が「女性型アンドロイド」であるとわかったので、ボンベを背負っていたわけじゃないことがわかります。できればプロローグでなんらかの手がかりを残してあると、迷わないでしょう。



> ミオンが慌てて顔を上げると、セーラの両手の中には厚みのある、ラッピングされた本を大切そうに抱きしめられていた。

⇒二文がつながっていますので、まずふたつに分けます。

> ミオンが慌てて顔を上げる。(と、)

(1)> セーラは両手の中には厚みのある、ラッピングされた本が大切そうに抱きしめられていた。

⇒が自然なので「ラッピングされた本が」にしましょう。

 ただ、もう少しわかりやすくすると、

(2)> セーラは、ラッピングされた厚みのある本を大切そうに抱きしめていた。

⇒とするのがよいのですが、文の主語がセーラに変わります。「ラッピングされた本」を主語にする場合は(1)になりますので、どちらに主語を置くのかはっきりさせて書きましょう。



>「朝、ミオンの部屋に向かったらいなかったんだもん。返ってくると思って待ってたのに電話も出ないから、セーラ1人で買いにいちゃったよっ。むぅ」

⇒「買いに行っちゃったよっ。」ですね。



>彼女の髪からの、ふわりとした甘い匂いに包まれる。

⇒「彼女の髪から漂う、ふわりとした甘い匂いに包まれる。」「彼女の髪からの、ふわりと漂う甘い匂いに包まれる。」あたりですね。「漂う」と動詞をしっかり書いたほうがわかりやすいです。



> 彼女は幼い子どもをのモデルに作られたため、ある程度のらしさを引き継いだのかもしれない。

⇒「彼女は幼い子どもをモデルに作られたため、」ですね。



> 彼女の申し出にセーラは快く頷くと、着替えに向かうミオンの後をつけていった。

⇒「ミオンの後をついていった。」ですね。



> ミオンが水着から着替えた後、二人がやむなくして向かったのは、リトルブルーオーシャンスクエアの一隅に位置する喫茶店『ス・ウィムスーツ』だ。

⇒ここは「やむなく」が正しい表現なのかどうかが問われますね。仕方なく向かったように読めてしまうからです。



> カランコロンと乾いたドアベルを鳴らして、ミオンとセーラが店内に踏み入れると、暖かな笑顔を振りまく少女が出迎えてくれた。

⇒「店内に踏み入れると」だと「なにを?」となりますので、「店内に足を踏み入れると、」としましょう。「足を」をとりたくない場合は「店内に踏み込むと」にしてください。



> ミオンがオレンジジュースを注文を変えたのは、セーラの口には苦いコーヒーはまだ合わないかもという配慮があっての上だろう。

⇒ここは「説明のための説明」になってしまっています。前半をすべて消して「セーラの口には苦いコーヒーはまだ合わないかもという配慮があっての上だろう。」だけにすると説明口調が和らぎます。



> カウンターではガタイのいいロマンススグレーのイケオジが腕を組んで待ち構えていた。

⇒「ロマンスグレー」ですね。



>――彼の名は、ス・ウィムスーツ。

>〜

⇒この三連打が面白いですね。畳み掛ける構造なので、ひと工夫加えて説明を読み手に伝える手段として秀逸です。ただ、あまり多用すると陳腐化しますので、一作品では一回に限ったほうがよいでしょうね。

 もしくはス・ウィムスーツの説明だけに限るとか。



> 今から遡ること100年前――21世紀。

> あの一世紀を境に、世界は海の底に沈んだ。

> 宇宙から襲来した宇宙苔の惑星環境破壊兵器によって。

⇒「あの一世紀前を境に」かなと思います。




※構成と展開について

 「宇宙苔」による「惑星環境破壊兵器」と説明されると『宇宙戦艦ヤマト』を彷彿とさせますね。ただ結構古い作品なので、オマージュとして普通に読めると思います。

 今のところ出てきたキャラはすべてアンドロイドなのかな?

>彼女らアンドロイドに、そんなアストラモスから人類を守り抜くという使命を与えたのだ。

 とあるので人類はまた別のところで生活をしているのでしょうか?

 というところが疑問として湧いてきますので、次話への「惹き」となります。

 「惹き」をうまくつないでいけたら、どんどん物語の奥へと読み手を誘えるので、この調子で「惹き」を伏線にして進めていきましょう。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る