海中退治譚編プロローグ

臨海22世紀

作者 長宗我部 芳親


一人称プロローグ

海中退治譚編プロローグ



構文と誤字脱字など

> 地面に降り立つと土埃が立って、近くを泳いでいた小魚の群れが散り散りになっていった。

⇒海の中であれば「埃」は舞わないかなと。「地面に降り立つと泥が漂って、〜」が正確な描写になります。ただもし空気が存在していてその中に都市があるのであれば、土埃は舞いますよね。このあたりで書き分けるとよいでしょう。



>苔が映え渡り、海藻が繁茂していたり、と原型は崩れているけれど、やっぱり当時の匂いがした。

⇒苔は「す」ものですね。「はえる」場合は「生え渡り」です。ちなみに正確に言うと「渡り」は向こう側へ越えて行くことで、「亘り」は範囲を示すことを表します。まあ今では「亘り」はかな書きすることが多いので、とくにこだわりがないのであれば「生えわたり」と書くのをオススメします。



> 私だけのテラスにある特等席に腰掛けて、テーブルの上に軽く触れると、ホログラムのメニュー版が浮かび上がってくる。

⇒「私だけのテラスにある特等席に腰掛けて」だと「テラスが私だけのもの」に読めてしまいます。「特等席が私だけのもの」の意であれば「テラスにある私だけの特等席に腰掛けて」としましょう。




※構成と展開について

 「陸地がすべて海面に沈んだ地球」という設定がよいですね。どんな理由かも要点だけですがしっかりと書いてあります。

 物語の「惹き」としてはかなり高いのではないかと考えます。

 ここまで構想できていれば、この世界観を崩さない限り良作になるでしょう。

 プロローグで少し首をひねったのは「主人公は海の中を泳いでいる」のか「実は空気があって海の中を歩いている」のかがこの文章では判然としないところです。

 「土埃が立った」「やっぱり当時の匂いがした」と書かれると空気があるように読めるのです。

 しかし「ビルの長窓に街を泳ぐ私と、魚の姿が映る。」とあるので主人公は海を泳いでいる。

 このあたり、設定が揺らいでいるように見えてしまうので、そこでちょっと減点されるでしょう。

 プロローグの舞台は海の中だけど、そこに空気があって歩いているのか、空気はなくボンベなどを背負って泳いでいるのか、が判然としません。全身義体なので海の中でもボンベがいらない主人公なのかもしれませんが。

 それ以外は問題ありません。

 よいプロローグだと思いますよ。



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