人でなし悪魔は囁く!①

人でなし悪魔は囁く!

長宗我部 芳親


人でなし悪魔は囁く!①

https://kakuyomu.jp/works/16817139556582883265/episodes/16817139556585939659



構文と誤字脱字など

> そう言うと、リザエルは両腕を広げながら、無邪気にくるりと回ってみせた。

⇒紹介文では「リザベル」となっているので、どちらかが誤りですね。

 本話を読むと「リザエル」が正しいのかな?



>大きな目元を筆頭に、顔たちこそは可愛げに整っている。

⇒「顔立ち」かなと。開くなら「顔だち」です。



> だが、この世界では彼女のような存在を悪魔と呼んだ――。

⇒「だが、」が要らないように見えます。ただ、作者がどうしても必要だと認識しているのであれば、あってもかまいません。小説賞としてはこの程度は誤差の範囲です。



> 彼らは非道な限りを尽くし、長年に渡って天地を恐怖へと陥れたのである。

⇒「非道の限りを尽くし」かなと。



> その更生の機会とは天界を離れた人間界での暮らしを通して、彼らに本来備わっていた天使の性質を取り戻させる取り戻させる、といったものだ。

⇒「その」が要らないかも。「取り戻せる」が二重に書いてあるので片方だけにしましょう。



>「……そんなことより早く行くぞ。お前の着ている服がボロイのを見てナーシャが可哀想だの可哀想だのしつこいんだ」

⇒「だの」は並列の助詞なので、ふたつ並べないといけないのですが、ともに「可哀想だの」なので「だの」を使う理由になっていません。おそらく元々別の語だったと思われるのですが、なにと並列させようとしたのかは判然としません。



> リザエルはそっぽを向いて、近くの木製椅子に腰がけた。

⇒「腰かけた」ですね。



> そんな彼の態度を気にすることもなく、タクトは真剣に服選びを続けていた。

⇒「そんな彼女の態度」ですよね?



> 暫くすると、ゆっくりと立ち上がる。そのまま服を選び続けるタクトの背後に立つと、彼はおもむろに口を開けた。

⇒ここも「彼女はおもむろに口を開けた。」ですよね?



> 定員の少女は愛らしく、首をキョトンと傾げた。

⇒「店員」ですね。



>「おっ、お買い上げありがとなの!! こんなこと嬉しいこと初めてなの!! 今から、たっくさん力持ちの人を連れてきて運んであげるから待ってなの!!」 

⇒「こんな嬉しいこと初めてなの!!」だと思うのですが、「こんなこと嬉しいこと」は彼女の口癖ですかね?



> 彼らはタクトに笑みを浮かべたかと思えば、次は親指を立てて、グットマークを作ってくれた。

⇒「グッドマーク」ですかね?



 ふと視線を送った先で、着換えて出てきたリザエルを絶賛していた妹の姿だった。

⇒「ふと視線を送った先で」「妹の姿だった。」と係り受けが噛み合っていません。

 たとえば「ふと視線を送った先で目に映ったのは、」とすると「妹の姿だった。」となって噛み合います。



> 夜になると街は暗く、月明かりと民家から漏れ出る光だけが唯一の光源だ。

⇒まず「月明かりと漏れ出る光だけが唯一の光源だ」ですが、「光」と「光源」で「光」の字が重複しています。

 それだけでなく「月明かり」と「民家から漏れ出る光」だけが「唯一の光源だ」だと、明るいものはふたつあるのに「唯一の」と言い切ってしまってよいのでしょうか。二種類ということなら「数少ない光源だ」にする手があります。

 それでも「光」の時の重複は解消されません。

 実は「民家から漏れ出る光」をうまく処理すると、物語の舞台設定をスマートに説明できるので、ここに手を入れていきましょう。

 俗にいう「異世界ファンタジー」の世界観なら「漏れ出るランプの灯り」とする。産業革命期のイギリス風なら「漏れ出るガス燈の明かり」、現代に寄せれば「漏れ出る蛍光灯の明かり」「漏れ出るLEDランプの灯り」とここを工夫するだけで物語の舞台を説明できてしまうのです。

 それを単に「民家から漏れ出る光」と表現するのはもったいないですね。

 ちょっと工夫してみましょう。




※構成と展開について

 『「G’sこえけん」音声化短編コンテスト』ですが、これ、リザエルの囁きを書かないといけないような気がするのですが、そのあたりの募集要項はしっかり把握していますでしょうか。

 作品全体が音声データとなって販売されるわけですから、「リザエルの囁き」も書いていないと聞き手にはなにが起こったのか思い浮かばないのではないでしょうか。

 これは私がそう思い込んでいるだけで、作者様はこれでよいとお考えなのでしたら致し方ありませんが。


 あと、三人称視点で書かれていますが、音声データとして販売されるのであれば、一人称視点のほうが主人公の語りとナレーター声優さんの語りがイコールになるので、情景が目に浮かびやすくなります。その点で三人称視点を選んだのは難しいかな、と判断してしまいます。

 たとえばひとりの声優さんが地の文も会話文も心の声も表現するのであれば、三人称視点のような冷めた目線ではなく、感情を乗せやすい一人称視点のほうが「得」すると思います。第一、表現しやすいですからね。

 三人称視点でのひとり語りとしては古いアニメの『まんが日本昔ばなし』が挙げられると思います。昔話を朗読劇にしたアニメなのですが、三人称視点にしてしまうとこの作品に近いものになりやすいのです。


 ですので、

1.「リザエルの囁き」を具体的に書くかどうか

2.物語を三人称視点のままでいくか、一人称視点に切り替えるかどうか

 この二点を構成上の指摘と致します。



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