非公開作品のため諸々割愛致します。(2)
構文と誤字脱字など
> 間もなくして家を出た。
⇒眠りから覚めて、橋崎さんと母のことを考えていたら唐突にこの一文。
朝食べたのか、着替えたのかなどをすべてすっ飛ばしています。こういう一文は時短テクとしてはありなのですが、「読ませる」という意味では淡白かなと思います。
ですが、これはこれで需要のある書き方なので、時流を考えればこのままでも良いでしょう。
> 部活帰りの中学生をちらほら見掛けながら、彼女の住むマンションに向かう。
⇒助詞としては「彼女の住むマンションへ向かう。」ですね。
ただ助詞「に」でもあながち間違いではありません。ですが助詞「に」は到達点を表すため、この一文のすぐ後にはマンションに着いている必要があるのです。助詞「へ」は方向を表すため「そちらに向けて移動を始める」意になります。なので途中の出来事を描写したいなら、助詞「へ」が正しいです。
> 行く方向が同じの、中学生達のちょっと離れた後ろについていると、とても楽しそうな聞こえてくる。
⇒「とても楽しそうな○○○聞こえてくる。」の○○○がわかりません。おそらく「声が」だとは思うのですが、「会話が」も当てはまるので、なにかひとつに絞ることは難しいですね。
> マンションに着いた。
⇒ここが淡白だとちょっと省きすぎですね。「家を出る」ときにあれだけ省けば、着いたときにある程度説明しておいたほうがよいです。
たとえば「ゆっくりと歩いて橋崎さんのマンションに着いた。」「十分ほどで橋崎さんのマンションに着いた」のように。
ここで「橋崎さん」の名前を出さないと、第一話を読んでいても目的地が絞りづらくなので、ここできっちりと書いておきましょう。
> 扉の前に立っていたのがボクと確認すると、彼女は扉を少し大きく開けてくれた。
⇒「ボクだと確認すると、」にしないと助詞「と」が重複します。ここでの助詞「と」は並列の意味ではないので、重複とみなされます。「だと」にすれば助詞「と」の意味合いが薄れるのでこちらがオススメです。
※構成と展開について
主人公の川崎くんがあまり自己主張しない形での一人称視点。
これは橋崎さんの境遇にも近いものを感じさせ、若さゆえの危うさを醸し出していますね。
ちょっと気になったのは最後の一文です。
私だと余韻を残すために「彼女はその一声で振り返った。」は書きません。これは言葉の意味そのものが持つ強烈なインパクトで引くことで、その意味合いを強めたいからです。
ですがそれは最適解とは言えません。実践のようにあえてこの一文を書くことで、言葉が投げっぱなしではなく、相手の行動を引き出しています。こういう書き方もありなのです。
なので、最後の一文はあってもまったくかまいません。
狙う効果が違うので、書き方が違っていて当然だからです。
構成としては唐突に移動する場面が多いため、やや落ちつきを感じませんが、そもそもこの作品は「死にたがり」というワードが牽引する形なので、あえて「落ちつかない」書き方を狙っているのなら、この書き方でよいでしょう。
文章の書き方で雰囲気を醸成するのは、ある程度狙っていないと難しいものです。
そのあたりを狙って書けるようになっているので、筆力もかなりついてきたな、という印象を受けます。
この感覚をたいせつにして、以降の文章も綴っていってみましょう。
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