第十話 差別

サファイアオブプリンス

作者 サファイア

第三章 格差社会

第十話 差別


https://kakuyomu.jp/works/1177354054885438097/episodes/1177354054887005049



構文・誤字脱字等

>ちなみに、全ランク共通だが一学年につき六クラスまである。

⇒これだと財閥階級も六クラスまであるんですか? そうすると生徒数だけでも他のランクと対等になってしまいますよね。それだとプラチナである意味がないような気がします。

 カーストの頂点が少数者で占められるように、学園も頂点は少数であるべきではないでしょうか。



> 一流アスリートが着てそうな財閥階級専用のスポーツ服を着替えたシュテルは、体育館の前に到着すると、クラスメイト達が誰も居ないのに、そこで待っていた。

「君? どうしたんだい? こんなところに待って?」

「シュテル君、分からないの? 掃除をしているんじゃない」

⇒この文はわからないですね。まず基本の文を抜き出します。「シュテルは、待っていた。」ですよね。それなのに「君? どうしたんだい? こんなところに待って」と書かれるとシュテルが声をかけられたように映ります。しかし次文が「シュテル君、分からないの? 掃除をしているんじゃない」と返ってくるので先ほどの会話文は声をかけたのがシュテルということになります。ここが矛盾になっているのです。

 これは「複文」にしているのでわかりづらい文になっています。

 そこでまず単文に切り出してみます。

> シュテルは一流アスリートが着てそうな財閥階級専用のスポーツ服に着替えた。体育館の前に到着する。すると、クラスメイト達が誰も居ないのに、そこで待っていた。

⇒では「クラスメイト達が誰も居ないのに、そこで待っていた」のは誰か。これが「シュテル君、分からないの?」と答えた人物ですよね。であれば「誰よりも早く来ていた女子生徒(クラスメイト)が外で待っていた。」というような文章でなければおかしいですよね? 

でも、すぐ近くに「シュテルは、人ごみの間から体育館を見ていたが、別に何も汚くところが無いが、何故か教職員達が掃除魔術を使っている。」とあります。つまり人混みができるほどには人が集まっていたことになります。「するとクラスメイト達が誰も居ないのに」が当てはまりません。そうなると「先に来ていたクラスメイト達は皆、外で待っていた。」という次のような単文になります。

> シュテルは一流アスリートが着てそうな財閥階級専用のスポーツ服に着替えた。体育館の前に到着する。すると、先に来ていたクラスメイト達は皆、外で待っていた。

⇒となります。これを元の複文に還元すると次のようになります。

> 一流アスリートが着てそうな財閥階級専用のスポーツ服に着替えたシュテルは、体育館の前に到着すると、先に来ていたクラスメイト達は皆、外で待っていた。

⇒となるので、原文と比べるとどこがおかしかったのかは一目瞭然ですね。



> シュテルは、人ごみの間から体育館を見ていたが、別に何も汚くところが無いが、何故か教職員達が掃除魔術を使っている。

⇒「別に何も汚いところもないが、」でしょう。



> シュテルは、不思議に思っていると草陰に隠れていた平民階級の二人の存在に気付く。

⇒ここは「気づいた」ですね。



>「シュテル君」

> シュテルは、声が聞こえた左の方向を見ると、オールバックにジャージを着た男がいた。

⇒呼びかけられているので、応えた人の名前はなくてもわかります。

>「シュテル君」

> 声が聞こえた左の方向を見ると、オールバックにジャージを着た男がいた。



>「ん? そうですね、どんだけ迷惑かけてるのか分からないかしら? あいつらは。 だよね?」

⇒ちょっとわかりづらい文ですね。問いかけられたのだから「ん?」とは答えません。

>「そうですね、どんだけ迷惑かけてるのか分からないのかしら? あいつらは。だよね?」

⇒くらいでよいのではないでしょうか。



>今回は、対武器の奪い方や、カウンター、投げ技などを教われて一対一の実践試合だ。

⇒ちょっと怪しい日本語です。ここは以下のようになります。

>今回は、武器の奪い方や、カウンター、投げ技などを教わったのち一対一の実践試合となった。



>まず、谷村がパンチをかわしカウンターを仕掛けようとするが、回避される。シュテルは、彼に休む間を与えず、蹴りで顔面にヒットした。

⇒試合の流れですが、「まず」なのに「パンチをかわしカウンターを仕掛けようとする」とありますが、「まず」「パンチを出さ」ないとかわせませんよね? なので、

>まずシュテルが様子見のパンチを放ち、谷村はそれをかわしてカウンターを仕掛けようとするが冷静に回避し、そのまま放った蹴りが顔面を捉えた。

⇒という形になります。攻撃のリズムを出すには、単文の連続か、重文でリズムを刻むかします。今回は原文が重文なので、そのまま重文を採用しました。



> 生徒たちはブーイングをするが、彼の極道ともいえる目つきで睨むと、シーンと静かになった。

⇒ここもおかしいですね。まず文を主語と述語のみにシンプル化します。「生徒たちは静かになった。」ですよね。そのうえで、パズルのようにパーツを当てはめておかしなところを探します。ここでは「睨むと、」がおかしいとわかります。「生徒たちは睨むと静かになった。」つまり「睨んだのは生徒たちのほう」ということになります。ここは「彼の極道ともいえる目つきで睨むと」なので、睨んだのは半田ですよね。であれば「生徒たちは半田に睨まれると静かになった。」ということになります。これを原文に戻して適用すると以下になります。

> 生徒たちはブーイングをするが、彼の極道ともいえる目つきで睨まれると、シーンと静かになった。



>谷村にも小声で「ありがとう。良い経験なったよ」と囁く。

⇒「良い経験になったよ」ですよね。




※構成と展開について

 今回は短いので粗が見えやすいですね。

 とくに誰が語っている文なのか。誰から見た文なのか。

 そこを注意して文を組み立ててみてください。

 文に迷ったら、今回見せたように「文をシンプルにしてどこがおかしいか探ってみる」とよいでしょう。

 章が改まったので物語の構成もここから仕切り直しですね。

 谷村がやり手だということは、もし敵に回したら手強いという意味でもあります。

 味方につけられるかで、今後の展開も変わりそうです。



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