第5話 見習い天使は頼りきり その2
見習い天使はそこにいる!
作者 ゆうすけ
第5話 見習い天使は頼りきり その2
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922344013/episodes/1177354054933971770
構文・誤字脱字
> 空は相変わらず突き抜けた群青色。深く澄んだその色は、俺のこぼれかけの涙ですら染めてしまいそうだった。
⇒この表現はいいですね。群青色と涙を掛ける。無色の涙に色がつく。その色味によって感情が変わってくるあたりがさすがといえます。
>今日は一日、ろくに授業も頭に入ってこなかった。
⇒「ろくに」は「入ってこなかった」で受けているので、間に「授業も」を入れるとわかりづらさが出てしまいます。
「頭に入らない」は慣用句なので、「頭に入ってこなかった」もその延長です。
ということは、
>今日は一日、授業もろくに頭に入ってこなかった。
⇒が正解となります。すると助詞「に」が二つあると見えますよね。
「ろくに」は副詞なので助詞「に」ではないのです。それと「頭に入らない」が慣用句なので、慣用句の助詞「に」はカウントしないことになっています。そうしないと表現がかなり限られてしまうからです。
>でも、少なからず確実に俺は動揺している。
⇒おそらくゆうすけ様のレベルなら、意図して「あえて」やっていると思いますが、いちおう指摘だけはしておきます。
「少なからず」は可能性がいくらかはあるという程度。「確実に」は可能性100%の程度。なので本来は相反する語なのです。しかし健次郎が焦っていて冷静に考えられない、という状態を読み手に見せるため「あえて」書いているように感じました。
>ぐっと拳を握り込むと、なんとも言いようもない無力感が襲ってくる。
⇒ここもいい表現ですね。単に「無力感に苛まれる」と書くよりも、実際動作にして読み手に見せる。このほうが確実に読み手へ伝わりますからね。
俺もフェンスまで歩いて行って、柊木の隣で街並みに背を向けてフェンスに背中を預ける。
⇒ここは「背」の字が近いですね。「街並みに背を向けてフェンスにもたれる。」ではダメなのでしょうか。
※構成と展開について
千紘が健次郎を元気づけようとしているようなシチュエーションですが、受け重視派なんですね。違う見方をしていたわけですね。というと攻めは糸田なのでしょうか(笑)。
ユアがキレキレダンスを決めているところ、ここも描写が難しいところですが、部員との対比でうまく底上げできていますね。
そして現れた謎のカタツムリ。秋冬は時期ではないから明らかになにかありそう。
そう思わせるだけでも、ゆうすけ様はしっかりとした構成力をお持ちですね。
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