第4話 見習い天使は頼りきり その1

見習い天使はそこにいる!

作者 ゆうすけ

第4話 見習い天使は頼りきり その1


https://kakuyomu.jp/works/1177354054922344013/episodes/1177354054926313351



構文・誤字脱字

> 誰にともなくひと声上げて自席に着席した。

⇒「自席に着席した」は「席」の字が重複しています。言うなれば「馬から落馬」パターンです。ここは「自席に着いた。」「自席に腰を下ろした。」「自分の椅子に着席した。」のパターンで回避できます。



> どよーん、という効果音が付きそうな重たい空気をまとっていると、前の席の糸田がつまらなさそうに読んでいたコミックを机にぽいっと置いて、身体をひねって話しかけてきた。

⇒ここで問題になるのは、「前の席」にいるはずの「糸田がつまらなそうに読んでいた」と、どうして後ろの席にいる健次郎が知ったのか。

 考えられるのは「席に着いてはいたが横を向いて読んでいた。」場合です。これなら糸田の表情が見えますので、健次郎が知っていても問題はありません。であれば「前の席で横を向いていた糸田がつまらなそうに読んでいたコミックを〜」と書けば万人が納得できると思います。

 それとも健次郎が実は背中を見ただけで「つまらなそう」と判断できるだけの眼力がある、とか。

 あとは「頬杖をつきながら読んでいた」場合。頬杖をつきながらなにかを読んでいたら、あまり面白くないのかな、と判断がつきますからね。

 ただこれらの場合も含めて助詞「を」が重複するのが気になりますね。

 ですが「コミックを机にぽいっと置いて」以外の助詞「を」は次の語ですぐに受けているので、それほど読みづらさは感じません。

 またこの文が三つの文による「重文」となっているので、その点でも読みづらさはないのです。

 三つに分けると以下のようになります。

> どよーん、という効果音が付きそうな重たい空気をまとっている(。する)と、前の席の糸田がつまらなさそうに読んでいたコミックを机にぽいっと置い(た。そし)て、(糸田が)身体をひねって話しかけてきた。

⇒ですので、今回のような「重文」の場合は助詞「を」の重複とは見ません。

 ただ、なぜ「つまらなそうに」がわかったのかは読み手に知らせたほうが親切ではありますね。



>柊木は顔を心持ち赤くして、ユアを残したまま窓際最前列の自席に向かって行ってしまった。

⇒「自席に向かっていった。」「自席へ立ち去った。」「自席へ歩き去った。」など適切そうな単語がありますので、「向かっていってしまった。」という三重複合動詞は自重しましょう。とくに「しまった。」を付けたい場合は、「自席へ向かってしまった。」「自席へ行ってしまった。」「自席へ去ってしまった。」あたりがよいでしょう。



「それにさ、おまえが天使って言ってたのって、もしかしてB組の柴崎遥香のことか? 柴崎、取り立てていいとは思わねーけど」

⇒ここで「B組の柴崎遥香」が同学年だとわかりましたね。きちんと解決しているようなので安心しました。




※構成と展開について

 どうやら今のところ健次郎と千紘にしかユアが見えていないようですね。

 これがノミニーと関係があるのかな。一級に昇格もしていますし。

 ここからどうやって悪魔が関係してくるのか。

 プロローグの情報がナビ代わりになっているので、やはりプロローグは削れないですね。場所の移動だけにしておきましょう。残さないとなにがなんだか読み手にはさっぱり伝わらない作品ですね。

 さて、柴崎さんはユアと糸田のいうとおりの人物なのか。

 前フリとして有用なので、伏線としてうまく機能していますね。


 プロローグと第一話の添削からすると、ほとんど直しどころがない、というのが素晴らしいです。

 先回りで推敲していらっしゃるのか、書き出しはかなり苦労して書いていたのか、ですね。

 物語が走り出したら、筆も走り出した感じかもしれませんね。



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