第1話 見習い天使が現れた その1
見習い天使はそこにいる!
作者 ゆうすけ
第1話 見習い天使が現れた その1
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922344013/episodes/1177354054922344276
構文・誤字脱字
> 高校生活の間の何百分の一でしかない、ただのありふれた平日の放課後。
⇒「高校生活」で時間が示されているので「の間」はなくてよいです。
「ただの」「ありふれた」はほぼ同義(平凡の意)なので「ただの平日の放課後。」「ありふれた平日の放課後。」でじゅうぶんです。ただ、若干の違いもある語ではあるので、その違いを意図的に用いているのなら「ただのありふれた平日の放課後。」でもかまいません。
> しかし、その何気ないはずの今日の放課後は、俺の人生の中でも屈指の運命の分岐点だ。
⇒確認すると助詞「の」が頻出しているのに気づくはずです。一文にこれだけ用いると、文意を理解しづらくなるので注意が必要です。
まず「その」はあってもなくてもかまいませんが、前文を受けていると明記したい場合は避けられません。
次の「何気ないはずの今日の放課後は、」ですが、「今日の放課後」はあえて「今日の」と前置きする必要があるのかどうか。前文で「ただのありふれた平日の放課後」と書いてあるので、単に「放課後」とするだけでも「今日」であることはわかります。そして「何気ないはずの」は今回の文では「何気ない」と表記してもあまり意味が変わりません。
次の「俺の」ですが、この作品は「俺」の一人称視点になると思われますので、とくに書く必要はありません。「人生の中でも」は「人生でも」と書いても意味はさほど変わりません。
「屈指の運命の分岐点だ。」は「屈指の分岐点だ。」と「運命の分岐点だ。」のふたつを混ぜたものです。ただ、「人生でも」をとるなら「屈指の」は外せません。「運命の」は後の描写でそう思わせられればなくてもかまいません。
とりあえず徹底的に省いた場合の文は次のようになります。
> しかし、その何気ない放課後は、人生でも屈指の分岐点だ。
⇒これがこの文の素の状態だと考えてください。助詞「の」は「その」と「屈指の」のふたつしか残っていません。ここにどれだけのものを付け加えて説明するかをゆうすけ様にコントロールしてもらいたいわけです。
> 一学期は感染症騒動でほとんど登校していない。二年生になっての新しいクラスでの季節外れの初授業は、お盆明け。
⇒この一学期は「二年生の」でしょうか。すぐ後に「二年生になっての新しいクラス」と書いてあると、読み手は少し迷います。
たとえば、以下のように書いてあったらわかりやすくなりませんか?
> 二年生の一学期は感染症騒動でほとんど登校していない。新しいクラスでの初授業は、季節外れのお盆明け。
> ま、たしかにもっとかわいい子がうちの学年にもいることはいる。
⇒ここがちょっと気になりました。「うちの学年」ということは、「B組の柴崎遥香」さんは一年生か三年生ということになります。もし同じ二年生なら「うちの学級」か「うちのクラス」が正しいので、読み手がちょっと戸惑いますね。
>俺はその列には加わらず、左手奥のB校舎を目指して歩き始める。一歩一歩、歩みを進める。
⇒「歩」の字が狭いところに4つあるのが気になりますね。「一歩一歩」は副詞なので致し方ないのですが、「歩き始める」「歩みを進める」のいずれかを別の漢字にしたいところです。最も簡単なのが、
>俺はその列には加わらず、左手奥のB校舎を目指す。一歩一歩、進んでいく。
⇒として「歩」の動作をすべて省くやり方。「歩みを進める。」を残す場合、一般的には「
ただし、ゆうすけ様がここで「歩き始める。一歩一歩、歩みを進める。」にこだわってもかまいません。「人生の転換点」ですから、そこに近づく一歩一歩に意味を持たせるのも演出としては間違いではありません。
ただ「同じ漢字が頻出する」のは語彙力不足をとられかねないので、そこだけは気をつけてくださいね。
>その花壇の脇のコンクリート通路に足を踏み入れようとした時、背後から澄んだハイトーンの声が俺を呼び止めた。柴崎さんにしては声が幼すぎる。
>
>「あのお、すみません……」
⇒認識の仕方を忠実にたどると、
(3) 「あのお、すみません……」
(1) 背後から澄んだハイトーンの声が俺を呼び止めた。
(2) 柴崎さんにしては声が幼すぎる。
か
(1) 背後から澄んだハイトーンの声が俺を呼び止めた。
(3) 「あのお、すみません……」
(2) 柴崎さんにしては声が幼すぎる。
の順ですよね。
前者にするには文そのものを変える必要があります。
>その花壇の脇のコンクリート通路に足を踏み入れようとした時。
>「あのお、すみません……」
> 背後から澄んだハイトーンの声が俺を呼び止めた。柴崎さんにしては声が幼すぎる。
と分解します。
後者は元の文章変えず、並べ替えるだけで済みます。
>その花壇の脇のコンクリート通路に足を踏み入れようとした時、背後から澄んだハイトーンの声が俺を呼び止めた。
>
>「あのお、すみません……」
> 柴崎さんにしては声が幼すぎる。
私なら前者を選びますが、ここは書き手の伝えやすさを優先したほうが良いですね。
> 気色満面。
⇒「喜色満面」ですね。
> 周囲の学生たちは、学ランとセーラー服の中でひときわ異彩を放つTシャツにスカート姿の女子小学生に、我関せず、とみな素知らぬ顔で素通りしている。
⇒ここは「素」の字が重複していますね。「我関せず、とみな素知らぬ顔で通り過ぎている。」「我関せず、とみな素通りしている。」のいずれかですね。ここも漢字の意味がバッティングしているので、片方を活かすのが最適解です。
しかし変なこと聞きやがる。そこまで近寄ってでかい声で話しかけりゃ、聞こえるに決まってるじゃん。
⇒ここでの指示代名詞は「ここまで」ですね。「そこまで」だとまだ距離が開いています。
>驚いたことに、さっきの女子小学生がさほど離れていないところで「やほー」と手を振りながら笑って付いてきている。
>〜
>〜だから、ついてきちゃダメだ。〜
⇒「付いてきて」「ついてきちゃ」と漢字が統一されていません。使い方は一緒なので、ここは統一するべきです。
>はっきり言って、今の俺にとっては柴崎さん以外のいかなるかわいさも一ミリグラムも必要ない!
⇒行頭一字下げができていない凡ミスです。
>目指すは当校の敷地の南西角にある老桜の木のささやかな芝生広場。
⇒「南西角」が「なんせいかど」ならこれでよいです。もし「なんせいすみ」なら「南西隅」になります。
※構成と展開について
ここからが本編のスタートですね。
主人公は石塚健次郎。二年生だが何組かはわからない。
B組の柴崎遥香さんに告白するために古桜に呼び出してある。
サクサクと展開していって、淀みがないですね。
こういう軽く読める作風は、ライトノベルでは必須です。
物語をここから始めて、プロローグを第二話以降に差し込むのがベストかもしれません。
柴崎さんにフラレてからユアについてのプロローグを書くと、物語のバランスがよくなりますね。
「小説賞」狙いの場合は、プロローグとエピローグを付けるのは「構成力が足りない」とみなされやすいんです。
本編だけでしっかりと完結している作品のほうが強い。
だから、仮にプロローグを書いてもそれを「第一話」とし、エピローグを「最終話」にするだけでも効果的です。
そこをちょっと考えてみるだけでも、受賞の確率を高められると思いますよ。
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